むかしむかし…最終話
夜中の与平の家から
ガッタンガッタンと音が鳴り続く
与平はつうの真っ白い肌を抱く事を考えながら…
祝言までは我慢だと、必死に耐えた
つうが入った部屋からの音がずっと気になって眠れない
いや…
つうを抱く事を想像して、眠れなかったのかも知れない
しかし…
夜が明ける前には寝入ってしまった
目が覚めると、すっかり静かになっていた
与平は…
つうの寝顔が見たかったらのか
つい
少しだけふすまを開けて覗いてしまった
そこには…
何も無かった
機織り機
家財道具類
綺麗に無くなっていた
そう
つうは…
サギ(鷺)だったのです
…鶴ではなく
そして…
与平は…
カモだったのです