雪の思い出
それは もう何年か前の話
僕が名古屋に通っていた頃だ
その日は、前日に会社の車で直帰したので、会社の車で出勤し名古屋に向かった
朝から大雪で高速は通行止め
仕方なく、下道で向かう
途中、愛知県の一宮市内で渋滞に巻き込まれた
渋滞中で動かない為
ボーっと外を見ていると…
左側に、自宅から車で出ようとしている女の子
車は軽自動車
何かの店舗兼住宅で、その駐車場はコンクリートかアスファルトだったと思う
が…
雪が積もって動かない
その女の子が運転する車の後ろには…
父親らしき人が…
車の後ろから両手を突いて必死に押している
この雪でノーマルタイヤだから滑って動かないのだろう
道に出れば…
雪もだいぶ溶けてるから大丈夫だという判断か…
必死に押しても動かない車
それでも必死に押すお父さん
がんばれ~
あ…
動いた~
お父さんが…
お父さんが踏ん張る足が滑り
まるで…
スローモーションの様に
万歳の体制のまま…
雪の上に
ベタンと倒れた
僕は車の中で…
笑いが止まらなかった