ぺぺの話 33
ぺぺを可愛がっていた僕の父が亡くなった
身内が沢山集まり
それはそれでぺぺは嬉しそうだが…
まさか、来客が沢山あるなか
ぺぺを家の中に居させる訳にいかない
悪いけど
庭にいてもらう
フェンスや塀で外には出られないから大丈夫ではあるのだが
みんなが居るのに誰も遊んでくれないのが面白くないのか、ワンワン吠える
仕方ないから部屋に入れると
割りと良い子を演じている
和室に寝かせた父の遺体には近づけさせなかったのだが
さすがに、最後は会わせてやろうとぺぺを棺(ひつぎ)に入った父の元へ連れて行くと
ぺぺは棺に前足をかけ中を覗き込んだ
クンクンと必死に背を伸ばし
顔を舐めようとするぺぺ