おばあちゃん
40代後半  岐阜県
2016/03/27 0:35
おばあちゃん
なんだか突然思い出した

僕は祖父や祖母とは暮らした事はない

父方の実家は近くにあったんだけどね

それは

小学生の頃だったと思うのだが

僕が一人で留守番をしていると、父方の近所に住むおばあちゃんがやってきた

そうして

「じ芋(里芋)いらんか」と僕に聞いた

僕は芋はあんまり好きじゃないし留守番していたから

「いらん」と答えたんだ
もし

「じ芋やるから、取りにこい」そう言われたら、留守番が終わってからもらいに行ったと思う

しかし

いらんか? と聞かれたから素直に答えたんだ

女の子だとこんな時うまく対応するよね

この事が引き金となり
おばあちゃんは僕を嫌いになった

と言う事を何年か後に知った

確かに記憶があった

そんなおばあちゃん

僕が社会人になり

あちらこちらに出張するようになり

毎月長野県に出張していた時に、善光寺の近くのビジネスホテルに泊まっていたから、門前町でコケシを買った

それをおばあちゃんにお土産にあげた

後にも先にも唯一の僕からのプレゼント

そんなおばあちゃん

あとから知ったのだが

亡くなる寸前までそのコケシを大切にしていたそうだ

ベッドに持ち込みいつも一緒だった

いつのまにか、自慢の孫になってしまった

小さな事が思わぬ喜びになってくれた

そんなエピソードでした
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