今から１５年前の話です｡

当時は､社会人１年生で､しかも一人暮らしをしていたせいか､お金が月末になると､ほんとに無くなってしまう生活でした｡

そんな月末に友人から､｢飲みに行こう｣の誘いをうけた｡そのときに､お金が７０００円くらいしか残っていなかった｡

｢７０００円もあれば楽勝だ｣とばかり飲みにでかけた｡

すっかりいい気分になって
｢じゃ､またな｣ってことで友達と別れた｡

ﾊﾞｽの最終もでた後だったので､ﾀｸｼｰで帰ろうと思い､ﾀｸｼｰを拾った

当時は､ｵﾝﾎﾞﾛｱﾊﾟｰﾄまで､ﾀｸｼｰ代が４０００円くらいかかる距離だった｡

ﾀｸｼｰに乗った後気がついて

｢あっ･･１０００円しか残っていない｣

酔いがすっかり吹っ飛んでしまって頭の中でｼｭﾐﾚｰｼｮﾝをした｡

｢ここから１０００円分だけﾀｸｼｰにのって
そこから歩いて帰る距離､だいたい１０ｋｍくらいだから家につくのは､夜中の２時～３時頃だな｣って

ﾀｸｼｰの運転手に言った｡

私｢１０００円分だけでいいです｣

ﾀｸｼｰ｢家に帰ればお金､あるでしょ｣

私｢いや社会人１年生で､今本当にお金がないんです｣

ﾀｸｼｰ｢どこに住んでいるの？｣

私｢○○町です｣

ﾀｸｼｰ｢歩いたら大変だよ､それにお客さん､酔っているじゃない｣

私｢･････｣

運転手は何も言わずにﾒｰﾀｰを切って家まで送ってくれた｡
家の前についてﾀｸｼｰの運転手さんが

｢お金は今度､給料が出て､また乗ってくれたときでいいよ｣

このときほど､うれしいことはなかった｡今では､そのときのﾀｸｼｰ会社を極力使うようにしているし､お釣りはいいです､と言えるようになりました｡