高速道路無料化の是非
高速道路の無料化を政策に掲げる民主党が政権を取ったことにより
この問題が大きくクローズアップされ報道されている。
ただしマスコミは民主党政権を批判することで高視聴率が取れるので
高速道路無料化はまるで悪であるかのようにそこでは扱われている。
でも本当にそうだろうか?
高速道路を無料化することによるデメリットは主に
1)財源の問題、2)渋滞の問題であるが。
しかし、もしこの二つが無いとしたら、どうだろう?
それでもマスコミは反対するんだろうか?
例えば財源であるが
現在の高速道路の借金は30兆円にも及び、その返済が順調に行われているかのようであるが
実は自民党・民主党、双方によって建設された道路により新たな借金はふくらんで元金にドンドン積み増されている状況にある。
よって借金の返済はいずれ破綻する。
それに今は各種の割引が適用されて、それにも毎年5000億円の予算が使われている。
つまり今でも税金の投入があるのである。
しかも高速道路が高額有料であるがために一般道の渋滞が止まらず
その対策費として毎年1兆2千億円の費用が使われている。
もし高速道路が無料になったら、この費用の大部分が必要無くなるのではないか?
そもそも交通の利便性のために作られた高速道路が使われないために
さらに一般道路もバイパスなどを増設しなければならないなんてブラックジョークの何者でもない。
渋滞についても考えてみると
6月から実験的に実施された全国37の無料化路線では
その沿線の一般道路は渋滞がかなり改善されたそうである。
そりゃそうだろう。
交通ってのは面白いもんで、10%の交通量が増えるだけで大渋滞が発生するが
逆に言えば、10%の交通量を減らすだけで渋滞は大きく緩和されるのは当然のことである。
思うに、高速道路はせっかく造った立派な社会資本であるのに
それが利用料が高いが故に全く使われないままに放置されているとしたら
それはもったいないとしか言いようがない。
ココはもはや国道の一部などの認識で高速道路を捉え、無駄な一般道路は造らないようにするのが賢いやり方ではないだろうか?
そうすれば、
各種割引費用分の5000億円、一般道路建設分の1兆円、などが必要無くなり
逆に経済効果8兆円とすると、その一割8000億円が税収として国庫に入り
その他SAやPAの運用を上手くやれば、何とか財源は捻出できなくはないか?
また料金所が無くなれば、簡単に入り口を増やすことができて
さらに国民の利便性は上がる。
日本製品が世界と戦っていくのに、ネックとなるのはその生産性である。
人件費を削れば、経費は安く抑えることが出来るが
しかしそれは国民の購買力を奪うことにもつながり、結局は国民の幸福には繋がらなかったというのはもう周知の事実だろう。
だったらそれ以外の輸送費や規制緩和などで生産性の確保をしていくのが筋ではないか?
この高速道路の無料化は、実は日本再生の重大な鍵を握っていると思う。
だからマスコミの安易な報道に惑わされることなく、もっとじっくりとこの問題を考えてはどうだろうか?