欠片(かけら)
50代前半  東京都
2017/12/20 8:48
欠片(かけら)
今年、16才になった
愛犬のプードルの女の子

16才の誕生日を境に、急に具合が悪くなり
獣医さんに、20日間に渡り通院し
延命治療をしていただきましたが
残念ながら、静かに天国へ召されました

獣医師からは、「老衰です」と
ご説明をいただき
「天寿を全うしました」と、
フォローのお言葉もいただきました


愛犬とのお別れの度に、もうこんな気持ちは
懲り懲りと決めているのに

もう、犬や猫とのお別れが悲しすぎて
辛すぎて、飼うのはやめようと思うのですが

今日も、8才と2才になるプードルの女の子が
リビングを元気に走り回っています。


そんな、治療の為に獣医さんへ通院していた
とある日の事です

小さな小さな仔猫3頭を毛布で包んで
病院へ駆け込んで来られた女性がいました

あきらかに、項垂れている仔猫達です
どうやら、3頭の仔猫は
捨て猫だったようです。


この病院は、奥が手術室兼、処置室です
手前の部屋が診察室になってる縦長です
奥と手前の部屋はガラス戸で仕切られてます

隣り合わせに診察室が有るのではなく
診察室のお隣の小部屋は入院室です

ですから、奥の処置室で診察を受けていた
私と家内の耳にも、獣医師の助手である
女性の獣医師と、仔猫を抱えてきた女性の話が
聞こえてきます

すると、しきりに女医さんの口から
「かけら」「かけら」と聞こえて来ます

いったい、なんの「かけら?」なのかと
聞き耳を立てていると、、、

どうやら、仔猫達の命を「欠片・かけら」と
表現しているようでした

暫く会話が進むのを、聞いていると
女性が、女医さんに向かって ・・

「この仔達の命は、今は確かに
 儚いものかもしれません」

「でも、命の欠片ではありません!」と
声を大きくして、女医さんに訴え始めたのです

よく、野性の動物のドキュメントなどでも
「儚い命の欠片」とか「僅かに残る、命の欠片」
などど、ナレーションで耳にしますが

小さな小さな仔猫達です 。。。

現状は、命が危ういかもしれませんが
「欠片」と言うのはいかがなものかと
家内も私も、首を傾げていた矢先でした ・・

まさにその時! 女性から発せられた
言葉だったのです。


女医さんは、悪い意味で選んだ言葉では無く
小さな小さな命でも、生き抜こうとしている。

と、すぐさま説明(釈明)が始まりました

師匠である、院長先生はとっさに
診察室に入られて、開いていたガラス戸を閉め
しきりに頭を下げて、女性に謝られていました。



小さな儚い、危うい命を
命の欠片と表現するようになったのは
どうしてなのか?

命のかけら ・・
覗いてみると、遺骨の入ったペンダント。
そして、「詩」にもなっていました。

う~~ん… …
命のかけら・・

耳あたりは、スムーズかもしれませんが
「命」は「命」です。。。


他に言いようが…
無いのでしょうか。
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