まだ、電話はしません
弱音を吐いてしまうのが　わかっているから

まだ、声は聞きません
自分の弱さを　認めてしまうから　・・


街路樹を　１本１本数え　歩いて帰る
真夜中の　街道。

向かって来る　ベッドライトが眩しくて
去っていく　テールランプが　
妙に　寂しげで　…

大きなトラックの　騒がしいエンジンの音に
いつもなら、うるさくて　舌打ちするのに

今は　とても、心地好く聞こえてきたり…

あのトラックは　どこまで行くのか…
どこか遠くまで行くのかな　？

ふと、思い浮かべたりして
ちょっとだけ　ほんの一瞬だけ
力強い　エンジンの音に　励まさせたりする

そして　…
ふと、立ち止まり　夜空を見上げて
ポケットの中の携帯を握る

こんなときでも　電話をしたなら
心配してくれる　優しい声

絶対に　励ましてくれるはず
絶対に「大丈夫だよ♪」と言ってくれるけど

だからこそ…
まだ、電話はしません…。


まわりの　みんなは　先に行ってしまい
笑顔でいられるのに　…

まだ、ここにいる自分が
悔しくて、恥ずかしくて、みっともなくて

まだ、ここにいる自分が
許せなくて、とても嫌いで、認めたくなくて

まだ、ここにいる自分なのに、と　…
ため息をついて　また歩き出します　…

止まることは　出来ないと
自分に言い聞かせて　また　ため息ついて

絶対に　負けられないと
心に誓って　また　ため息をつく…


諦めないぞ！　と
街路樹を、ひとつ　ひとつ　数えながら
歩いて行て行く

このまま　自分を誤魔化して
ほら、また街路樹の脇を
やり過ごして歩くだけに　ならないように

諦めないんだ！　と
自分に、言い聞かせながら　歩きました

そんな女々しい振る舞いを　繰り返しても
でも、まだ電話はしません

絶対に　…
貴女の笑顔が　見たいから
貴女を笑顔に　したいから　…
まだ、電話は　かけません　…。

失敗を繰り返していた
尻の青い　若造の頃の　
つまらない　話しでした　・・




あの～～、昨日の日記といい
ここのところ　こんな昔話しばかり
思い出したりしています

歳を取った証しかも　しれません
そうそう、歳を取ったからこそ
…　…ですよね　～

今なら、直ぐに
電話しちゃいま～～す♪

時々あるんです　・・

実は　…　…
貴女(家内)の声が聞きたくて　…
貴女(家内)の声に
「大丈夫だよ♪」と言われてみたくて…ね♪

直ぐに電話しちゃってま～す　・・

ほらね、やっぱり歳を取りました～
(〃⌒ー⌒〃)ゞ