【怪談】右肩が重い…
40代後半  島根県
2018/09/15 15:18
【怪談】右肩が重い…
前回、怖い話っぽくどうでもいい話を書いたんで、ホントの怖い話でもはじめましょう。
では、「稲川淳二」ふうに読んでくださいナ。



これは、ウチのカミさんに聞いた話なんですけどね…



…いかん、「刑事コロンボ」になってしまった(苦笑)。
まぁいいや、気を取り直して…



ウチのカミさんは、島根県の出雲市内にある、さる老舗の和菓子屋に勤めていたことがあるんですよ。

この和菓子屋、市内のあるスーパーにも出店していて、そこで働く先輩従業員が教えてくれたはなしだそうですが…



その先輩従業員は、同じスーパー内にある書店の店員と友達だそうです。
書店の店員、仮にAさんとしましょうか。そのAさん、かなり霊感が強いそうなんですよ。
で、Aさんには見えるんです。いわゆる「幽霊」が。


Aさんが働いているこの書店、幽霊が出るそうです。
その霊は、若い、おそらく20歳前後と思われる女性で、いつも決まった場所にたたずんでいて、近づくと寒く感じるし肩が重く感じるのであまり気持ちのいいものではなかったそうですが、とくに危害を加えてくるわけではないでもないので、「また居るなぁ」くらいに思って、いつしか気にならなくなったそうです。

ところがある日、Aさんがカウンターで書類の整理をしていると、急に肩が重くなりました。
ふと顔をあげると、いるんです。例の女性の霊が。
いつのまにか、カウンターのそばに移動して、じっとAさんのことを見つめていたそうです。

しかし、それ以上何もなかったので、特に気に留めずに仕事を終え、Aさんは家に帰りました。
そして食事をすませ、シャワーを浴びていると、Aさんはまた寒気と肩の重さを感じました。
顔をあげると、いるんです。彼女が。

「私についてきても、何もしてあげられないよ」

Aさんは女性の霊にそう話しかけましたが、彼女はだまって見つめていたそうです。
その日はそれ以上何もなかったそうです。

翌朝早く、Aさんは車に乗り込み、広島を目指して出発しました。
Aさんの息子さんが大学の卒業式だということで、息子の卒業式に出席するつもりだったそうです。
そして運転中、Aさんはまたしても寒気と肩の重みを感じました。
バックミラーに目を向けると、彼女が座っていたのです。

「いったい何なの!?」

Aさんは霊に向かって叫びましたが、彼女はだまったまま。
Aさんにはどうしようもなく、彼女を無視して運転を続けました。
そしてこのときもそれ以上何事もなく、息子の卒業式も無事終わりました。

Aさんは一晩広島に泊まり、翌日、車で島根に帰りました。
無事自宅について、車を降りるときに気付きました。そう、寒気を感じていない。
「彼女」が乗っていなかった…

「彼女」は、そのまま広島に残ったのでしょうか。
もしかすると、大学というものにあこがれていて、そのまま息子が通った大学をさまよっているのかも知れない、Aさんはそう話しているそうです。
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