期待していた方、すみません。
今回は、さして怖くもないと思います。



僕は以前、島根大学に通ってました。
小学校、中学校、高校など、「学校」と名のつくところには少なからず「学校の怪談」が存在するものですが、島根大学もその例に漏れず、怪談話がありました。

僕が通っていた頃は、教育学部棟の南棟（いちばん正門よりの棟です）の最上階のある窓だけ、木が打ち付けてありました。
ちなみに他の窓は、あたりまえながらすべて普通にガラスでした。


なぜ最上階だけガラスではなく、木が打ち付けてあるのか？


これには、次のようないわれがあるそうです。



ある女子学生が、同じ研究室の男子学生に一目ぼれをし、付き合うことになったそうです。

しかし実は、その相手の学生はあまりマジメな男ではなく、何人もの女性と付き合っていたようです。

それに気付いた女子学生は女子学生はショックを受け、その男子学生と会うのをやめることにしましたが、しばらくして妊娠していることに気付きました。

もちろん、相手は例の男子学生です。

女子学生は思い悩んだ末、とりあえずその男子学生に妊娠を打ち明けることにしました。

しかし男子学生は、

「オレの子じゃない。お前のことだから、他の男をとっかえひっかえしてたんだろう。迷惑だ」

と、すげなく言い放ち、挙句、女子学生に暴力を加えました。

女子学生は悲しみのあまり、教育学部棟の最上階から、窓ガラスを突き破って投身自殺をしたのです。


その後、ガラスそのものは新しいものが取り付けられましたが、なぜか取り付けた翌朝になると割れていたそうです。

何度とりつけても割れるので、タチの悪いイタズラだと思った学生課の職員が、一晩かくれてみていることにしたそうです。


しかし翌朝、その職員が例の窓の下で転落死しているのが発見されました。


何が起こったのかは定かではありませんが、ともかくこの事件以後、窓ガラスではなく板が打ち付けられることになった、ということです。



この話には亜種がいろいろあるようで、自殺をはかった学生は男であったり、原因も勉強のしすぎでノイローゼになったとか、様々です。

共通しているのは、学生が自殺をしたこと、そのあとガラスが割れるので板にしたこと、ということでしょうか。


いかにも、作り事のような話ですが…


ただ、僕の学生時代の友人はよく夜間に大学内を通っていたようですが、この棟の前で何度も人が倒れているのを目撃したそうです。

「遠くから血だまりの中で人が倒れてるのを目撃して、あわてて近寄ってみると誰もいなかった。気のせいかと思って家に帰ると、靴を脱ごうとして血がべっとりついていることに気付いた…」


彼はそう言って、たしかに血と思われる汚れのついた靴を見せてくれました。

そもそも暗がりの中、血だまりが見えるのかどうか不思議ですし、ホラ吹きの彼のこと、それが本当かどうかは分かりませんが…


なお、昨年久々に島根大学の大学祭に行き、学内を見たときは、問題のこの窓はなくなっており、完全な壁になっていました。

「学生の呪い」はまだ続いているということでしょうか…