ネバーエンディング・ストーリー
40代後半  島根県
2018/09/30 13:44
ネバーエンディング・ストーリー
映画、ネバーエンディング・ストーリーを久しぶりに観てみました。
ちょっと前に、他の方の日記のコメント欄でちょっと話題になったので。

昔観たときは子どもだったので、ストーリーを深く考えたりする事なく、ただただ、このファンタージエンの世界をたのしんでいましたが…


まず、簡単にネバーエンディング・ストーリーの解説を。
これは、ミヒャエル・エンデの小説「はてしない物語」の映画化作品です。

いじめられっ子のバスチアンが、いじめっ子たちから逃げる途中、古本屋に隠れます。
そこで見かけた「はてしない物語」というタイトルの本に興味を持ったバスチアンは、この本を黙って拝借、読み耽ります。

物語には、虚無に犯され崩壊していくファンタージエンという世界を、崩壊を止める術をもとめてアトレイユという少年が冒険を続ける様が描かれていました。
バスチアンは夢中になって読み進めますが…

という内容。


さてさて、この映画、大人になって改めて見てみると…

以下、ネタバレありですので、ご注意のほど。




結論から言うと、

「雑!(´ー`)」

という感じでした。


いや、ホントは、異世界の造形の美しさ、ファルコンに乗って空を飛ぶ爽快感、CGのない時代に、これを作るのは大変だったろう…
素直に今さらながら感動です。
そこは本当に素晴らしい!


しかしですね、ストーリーが全体的に雑すぎる…

まず、崩壊する世界を救う救世主として選ばれたアトレイユ。
が、選出された理由が不明…というか意味もわからずご指名。
まあ、そこはエライさんのご指名なんで、詳しく語られなくても大衆は
「この人が言うなら」
という事で納得するので、まだ良しとしましょう。


ただ、アトレイユに対する指令がすごくざっくりすぎ。

正直、僕なら

「イヤイヤ、どうしろっての? あてもなく世界中うろつき回れって?」

と文句言うだろうけど、アトレイユは文句も言わず広大な世界を本当にあてもなく探し回る…すげーなこいつ。


そして、愛馬がなぜ悲しみの沼に飲まれたのかよくわからない。
愛馬が飲まれた直後のアトレイユは沼に飲まれないのに、しっかり情報を得たあとには飲まれる。

脈絡なくファルコンに助けられたかと思ったら気絶してる間に次の目的地に来ちゃう。

お告げ所にいくための第二の門は第一の門より遥かに恐ろしいとびびらせておきながら、単に読み手の姿が映って、バスチアンがびびるだけだった。

グモルクは解説役として全ての真相をご親切に語りすぎ。
悲しみの沼まで全力で追いかけておきながらアトレイユの顔を覚えていないという記憶喪失ぶり。

そもそも君は瞬間移動しすぎ。
16000km先のお告げ所からファンタージェンの境界の位置関係がわからんけど。
この点はロックバイターも同様で、急に出現!

なによりラスボス感満載のグモルクは、そこらへんに落ちてた破片を手にするアトレイユに飛びかかった勢いで破片刺されて一撃で絶命。
史上最弱のラスラボス!

ラストはパタパターっとたたみかけるように終わっていくが、バスチアンとファルコンの飛行シーンが現実なのか妄想なのか、ぼや~っとした演出にちょっとぽかんとしてしまう。

いや、これは現実世界に物語の力が及ぼされた、ということだろうけど。


しかも急に最後だけ登場のナレーションで、
「それはまたのお話」というフレーズでエンドロール。

「え?終わった?」となることは請け合い。

おい、本は返しにいかんのかーい!
夜中まで学校に残ってお父ちゃん心配せんのかーい!

などなど、様々な疑問を残してこの映画は終わるのです。


原作を読んだあとでは、それぞれの意味は分かります。
実はこれ、話の途中で無理矢理終わらせてます。
だからこんな尻切れトンボ的な終わり方なんですね。

エンドフレーズは、原作のなかで、物語の世界から現実の世界に場面が切り替わるときのフレーズで、話を知ってたら、なるほどな、という感じ。
ということは、逆に言えば、この映画は未完である、と自ら宣言してる事にもなります。

このあと原作では、物語の世界に入ったバスチアンは…


あ、これはやめときましょう。
興味ある人は、ぜひ原作を読んでみてください。

僕も図書館で借りてきたので、ただいま読み耽り中…
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