･･･つづき･･･



店から出て､家に
一目散に帰り､貯金箱の
中身を数えた･･･

･･･千円

頭の中で､皮算用をする

(えｰっと･･･６○○円のこづかいから､２○○円を貯金して､1２月までに千円貯めて･･･

8月だから､お盆の墓参りに行ったら､親戚のおばあちゃんが
こづかいくれるかもしれないし
･･･
大丈夫だな)

それから､無駄遣いをしなくなった

下校の時に､毎日
例の文房具店の外から
･･･信濃が･･･
買われて無いかと
ｽﾄｰｶｰのように
確認した (^3^)/

そして･･･


･･･1２月･･･


予算がたまり､
ｸﾘｽﾏｽまで待てなくて親に許してを得て

･･･ついに買う事に



店に入り
｢おばあちゃん！これ買うから！取っておいて
家に帰ってお金持って
来るから｣

｢わかったよ取っといてあげるからね｣

｢すぐ！来るからｰ｣

小生は､走れﾒﾛｽの
様に､片道２㎞の道を

走って帰った

そして貯金箱を開け
中から､お札とｼﾞｬﾗ銭を
出し､３○○○円あるのを確認してから､
ﾎﾟｹｯﾄの奥深くに入れてまた､店まで走っていった
息を切らして､店に入り

｢おばちゃん！来たよ｣

｢あら早かったね
包むかい？｣

｢うん｣

おばちゃんが･･･
｢信濃｣を
包んでくれているうちに
ﾎﾟｹｯﾄから､お金を出した

おばちゃんは包み終わった大きな箱を､小生に渡してくれ
小生は両手で､抱きしめていた

｢お金 ３○○円
少ないよ｣

Σ(￣◇￣*)ｴｪｯ

小生はﾎﾟｹｯﾄをまさぐった･･･

･･･小さい穴が･･･
･･･硬貨ぐらいの･･･
･･･あな が･･･

小生は悟った･･･


落とした･･･

走った･･･から

財布に入れないから

･･･だめだ･･･






｢おばちゃん､落としたみたい･･･
正月にまた来るね

包んでくれたのに･･･



･･･ごめんなさい｣



うなだれている､小生を見ていた､おばちゃんが

｢負けてあげる
持って行きなさい｣


小生は地獄から天国に
登った気持ちになって

｢ありがとうまた買いに来るね｣

小生は又､駆け足で
家に帰ったのだった




ふと思うことがある･･･
こんなに､自分の子供に
我慢をさせたことは
有るのだろうか？

子供は我慢できるのだろうか？･･･

我慢して手にした時の
喜びは､忘れられない
今は､あの文房具店は

無くなってしまった


この時期に
ふと､思い出す