【初めて来られた方は、7/31の日記から順番にお読みください】


オンラインゲーム「パンヤ」をその女性と始めたのは去年の6月でした。名前を「愛」と教えて貰いました。

写メも送って貰いました。

普段からのメッセンジャーやメールで受ける印象通り、活発そうでスレンダーな可愛い女の子でした。

愛ゃんはずいぶんと長くやっているらしく、装備の充実した多数の女の子キャラを持っていました。

俺は当然男性キャラで、俺には似合わないような愛ちゃんの好みに仕上げられました。

当然愛ちゃんの方が数段上手で、裏ワザもたくさん教えて貰いました。

彼女は最初こそ何も言わなかったけど、お金に困っている現状の生活を忘れたくてゲームに没頭していたそうです。

そんな中、MSNメッセンジャーを通じて去年の7月に副業の伝授が始まりました。

俺の副業は運営金が必要でした。

当然愛ちゃんは余分なお金など持っていなくて、初期費用を銀行口座に振り込んであげました。

自分の口座を持っていないとのことで、お兄さん名義の口座を教えられました。

口座の名義は「中野康弘」。その時初めて苗字が「中野」であることを知りました。

お兄さんは一人でアパートに暮らしていると話していました。

彼女との結婚を控えて、お金を貯めているとのことでした。

ペースメーカーを入れているお母さんと二人暮らしの愛ちゃんは、

「お金の面で、お兄ちゃんにばかり負担は掛けられない」といつも言っていました。

愛ちゃんの副業は運営金が少なかったのもあり、なかなか報酬が増えませんでした。

また派遣社員として働いていましたが、不景気の煽りを受け思うような収入は得られない状況が続きました。

俺は愛ちゃんの副業と生活を支えるべく、毎月お金を貸し続けました。

去年の年末から今年の２月までの間に副業に異変があり報酬が激減して、貸した額はかなりの大金になっていました。

愛ちゃんの副業が順調に運営されれば、その報酬から少しずつ返済される予定でした。

でも俺は多分「完済は出来ないのではないか」と、漠然と感じていました。

メッセンジャーにて俺は、「稼ぎのいい彼氏ができたら返せよ！？」と言いいました。

そのとき愛ちゃんは「でも私が死んだらどうする？ｗｗ」と聞きました。

俺は「愛ちゃんが死んだら香典としてくれてやるわｗｗ」と返しました。


愛ちゃんの報酬は少しずつ増えてきました。6月10日には少ない4月分の報酬から1万円の返済がありました。

しかしアパートの家賃の支払い時期になると、5万円の借金を申し込んできました。

6月は順調に報酬が増え、愛ちゃんの当初の目標の額まで稼げるようにまでなりました。

7月10日にも５月分の少ない報酬から1万円の返済がありましたが、やはり家賃の支払い時に借金を申し込んできました。

毎日お互いの報酬額の報告のメールをやりとりしていました。

暑い中頑張ろうねと励ましあいました。

そんな中、あのメールがありました。



『突然すみません。緊急でお話ししたいことがあります。***-****-****まで連絡ください。』



電話番号を知らされるのは、ネットで知り合ってから１年経って初めてでした。

すぐに電話をしました。すると男性の声で『○○様（俺の名前）でしょうか？』

『はい、そうです。』と答えながら多少困惑しました。お兄さんなのか？何故本人が出ない？

すると『私は中野康弘の義理の弟です。○○様（俺の名前）のハンドルネームは何でしょうか？』と聞いてきました。

【中野康弘？たしか愛ちゃんのお兄さんの名前。しかもその義理の弟？】ますます混乱するばかりでした。

『ハンドルネームと申しましても、どのハンドルネームでしょう？』と俺は答え、何が何だか分からなくなりました。

双方とも混乱する中、義弟さんは『7月28日午後3時過ぎに、心筋梗塞で他界しました。葬儀告別式も本日（30日）済ませました。』と・・・

俺はまだ頭が混乱していて『はい？誰がお亡くなりになられたんでしょう？』と聞きました。

義弟さんも混乱しているらしく、とにかく用件を伝えようと


『この携帯からメールを送っていた本人が亡くなりました。』


え？愛ちゃんが死んだ？


俺は頭が真っ白になり、それ以降なにを話したのか覚えていません。（この状況の中7/31の日記を書きました。）

翌朝の31日に副業の報酬が振り込まれるので、その口座を確認する旨などを、愛ちゃんの携帯が解約される前にとメールで送信しました。

しかしその日の夜の義弟さんからの返信が、何かがかみ合いません。故人を「兄」と呼んでいたのです。

俺はまた衝撃を受けました。


【愛ちゃんは男？愛ちゃんが中野康弘なのか？】


その後のメールで、故人「愛ちゃん」は「中野康弘」であり男性と判明しました。



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この話は少しのフェイクはありますが、まったくの実話です。