お盆休みにクレアの部屋から
贈るミステリー短編小説です。
良かったら読んで下さい(^.^)
前編、中編、後編の3部です。


【絵の中の女】前編



「すいません！この
絵画は、おいくらで
すか？他のとは雰囲
気が違いますよね？
額縁もしっかりして
そうです」



『これかい～実は！
俺にも見覚がなくて
何故か紛れ込んでた
んだよ‥
不思議な事もあるも
んだよな！欲しけり
ゃ安くで譲るよ‥』




男は転勤で、この地
に来て最初の休日の
土曜日、たまたま寄
った骨董市で不思議
な雰囲気が漂う絵画
を衝動買いしてしま
い自宅に持ち帰りま
す。

描かれてるのは哀し
げな表情をした女性
がソファーに座って
る絵でした。

男は、持ち家タイプ
の借家の居間に飾り
ウイスキーを飲みな
がら長い時間ゆっく
りと眺めます。


次の日曜日、男はと
り憑かれたように‥
絵に描かれてるソフ
ァーと似たやつを探
しまわります‥

４軒ぐらいまわった
でしようか！やっと
そっくりなのを見つ
けて購入して居間に
置きました。

絵に描かれてるよう
に自分の居間の雰囲
気を似せて満足そう
に購入したばかりの
真新しいソファーに
もたれかかり今夜も
ウイスキーを飲みな
がらゆっくりと眺め
ます。


男は仕事から帰ると
絵を眺めながら居間
で過ごすのが安らぎ
となっていました。



数週間が過ぎた、あ
る晩の午前２時過ぎ
男は異様な雰囲気に
襲われ目がさめます
‥
念のために！戸締ま
りの確認をしてから
部屋をまわり異変は
ないか確かめます。

特に変わった様子は
なく安堵して飲みか
けのウイスキーを飲
もうと居間の電気を
つけて愕然とします
……


絵に描かれてるはず
の女性が絵の中に居
なかったのです…





男は、呆然と立ち竦
みます‥
それは、恐怖心より
絵の中の女性が居な
くなったと言う客観
的事実にでした！



家中をゆっくりと探
しますが、絵から消
えた女性は見つかり
ません‥




男は、毎日その絵の
女性を眺めては時に
語り掛け！特異とも
言える愛着があり‥
哀しい気持ちに陥り
ます。


それから居間のソフ
ァーに呆然と座って
ウイスキーを浴びる
ように飲みました。



いつしかソファーで
眠ってしまい、朝が
きて目覚めます。




男は頭痛を堪えなが
ら壁にかかってる絵
を観ました。



不思議な事に！そこ
には普段どおりに女
性がソファーに優雅
に座っていました。

男は、戻ってきた女
性を、凝視しながら
真夜中に起きた事は
夢だったのかと自問
自答します‥

そして思わず嗚呼！
と叫びます！




なんと絵の中の女性
が！
男の持ち物で、ある
手袋をしていたので
した！！


男は、動悸を抑えな
がら！会社を午前中
休んで服屋に、行き
他人の目など気にせ
ず
絵の中の女性に似合
いそうな自分好みの
セクシーなランジェ
リーと服を買いまし
た。

そして買った下着と
服を居間に置いて絵
の中の女性に優しく
語り掛けてから部屋
が寒くないよう暖房
を強めにつけ会社に
出勤しました。




自分でも頭がおかし
いと思いながらも‥
僅かな期待を胸に‥
夕方帰宅して、真っ
先に絵の中の女性を
観ました。


男は、そこに目を疑
うような不可思議な
奇跡を観ます！







なんと！絵画に描か
れている、絵の中の
女性が、男の買った
ランジェリーを…
セクシーに纏い微笑
んでいたのです！！



【前編終わり】
中編、後編と続きま
す(⌒‐⌒)

不可思議とは、仏教
用語で、仏の智慧や
神通力が、それを思
い測ったり言葉で言
い表したりする事が
出来ないという事を
指します。


【作】クレア
(*^▽^)/★*☆♪(*^^*)