ミステリー短編小説
■絵の中の女■中編


男は、吃驚仰天目
不可思議を、目の
当たりにします。

なんと！絵の中の女
性が
男が買って置いてい
た服に着替えて絵の
中で微笑んでいたの
です！



男は何度も何度も
絵に魅入ります‥

人生の中で、こんな
ミステリアスは経験
が無く戸惑いながら
も気分は抑えきれな
い程に高揚します。

それは、まるで初め
て恋に堕ちた少年の
ようでした。
そして絵の中の女性
に語りかけます。



男)
「今、驚いてます！
半信半疑で着る物を
置きましたが…

気に入って貰えたよ
うで嬉しいです。
絵の中から出られた
んですね？

もし今、大丈夫なら
また出てきて貰えな
いでしようか？」








しかし絵の中の女性
は沈黙を守ります‥

男は、期待を先延ば
しするかのように‥
じっと、待ちます。
優しく愛しみ絵を眺
めながら～





午前２時を過ぎエア
コンだけでは、寒気
がしてきて男は寝室
のストーブを居間に
運び込みました。











　　その時です！



女)
『今晩わ
　　驚かないで
　　　下さいね』



男は目を疑います！
目の前のソファーに
絵の中の彼女が座っ
て居たのです！！



それは"気韻生動"絵
の如く、目映いほど
綺麗で優雅な実物の
女性でした。




男)
「はい今晩わ！僕は
今、この状況に合う
言葉が！
見つかりません………
説明を‥
して貰えますか？」



女)
『私は、貴男が創っ
た画霊です…
描いた人の魂が強く
込められたこの絵に
貴男は毎日優しく眺
めては念じ続けまし
たよね！
絵の中から出てきて
このソファーにどう
か座って下さいと』



男)
「"画霊"ですか‥？
では、この会話も！
その姿も存在自体！
僕が念じ続けて創り
あげた創造の産物な
んですか？」


女)
『私には
　わかりません…
　貴男によって
　創られた
　女ですから…』



男)
「わかりました！
頭が変になりそうで
すが！こうやって貴
女が目の前に居る事
が僕にとっては現実
です！
胸が高鳴ります！」



女)
『じゃこのランジェ
リーを脱いで、恥ず
かしく頬紅色に染ま
った裸を見ますか
貴男が、想うがまま
　心のままに‥』








◆女は男に悟られな
いように薄笑いを浮
かべます…



男)
「すいません…動揺
しています！
ウイスキーを飲みな
がらお話しをしても
いいですか？」



女)
『好きなようにして
ください。貴男に創
られた私ですから！
ご自由です！絵の中
から毎晩、私を想い
ながら寂しく飲むの
を観てましたよ』



男)
「そしたら僕の考え
てる事すべてが分か
るんですね？」



女)
『はい…大半はわか
ります。私と安らげ
る時間を一緒に過ご
して男の欲望も満た
せられるスローで★
淫らな"sexをしたい
ですよね？』




男)
「概ねそのとおり！
いや、そうだと思い
ます(汗)
骨董市で貴女を、初
めて観た僕に、君は
一瞬！微笑みました
よね？
それから絵の中の君
に恋慕するようにな
りました(汗)

しかし、こうなると
は‥‥
奇跡なのか幻なのか
‥それとも…」



女)
『それとも
　　なんですか？』


男)
「僕の知識や経験だ
と、いずれは災いや
不幸が訪れるような
気がします。でも！
君みたいな"美女"と
わずかでも過ごせる
なら
あとから起きる事よ
りも君を今！失う方
が僕には一番の災い
かもしれません」



女)
『そう言ってもらえ
ると嬉しいです★
恥部を触りますか？

貴男が創ったこの体
の感覚を！私も知り
たいから…』







男は、摩訶不思議な
展開に戸惑いながら
も
女が話す言葉に酔い
しれて‥
神にでもなったかの
ような錯覚の中！
欲望を露わにさらけ
出します‥





男)
「わかりました！
その前に、瞳を潤ま
せて自分で、感じる
とこを探し出して★
その綺麗な、指先で
触りながら欲しがる
ように僕を見つめて
下さい。

僕が創造した女性な
らそのあともわかり
ますよね」




女)
『わかります！でも
私からも、お願いが
あります！
"sexする時はここじ
ゃなく絵の中に一緒
に行きませんか？

私がいた世界も知っ
て貰いたいから…」







◆女は夜明けがくる
前にと！急ぎます！



【中編終わり】

画霊とは、人物画に
画家の執念が乗り移
るといわれる日本の
怪異現象です。
同様に愛着を持ち続
けて念じ愛しむ場合
にも同じ怪異現象が
起こるのかも知れま
せんね‥‥

(作)クレア