☆彡お疲れ様☆彡

私の愛するスイカ
　泥棒【中編】



(恵子)
「それで、祖父は捕
まえたスイカ泥棒を
縁側に正座させ説教
したんですって！
当時中学生だった母
は襖の陰から、そっ
と見てたらしいです
(汗)
スイカ泥棒は近所の
青年で、なんでもそ
の青年の母親が重い
病気で甘いスイカを
食べさせたい一心で
魔が差して、盗みに
入ったそうです…

お爺さん泣いてるの
？
じや～お昼がきたか
ら綺麗な桜が見えて
るお外で、お弁当を
食べましようね☆」



(爺ちゃん)
「あの窓から見える
桜の木は本来具わっ
た天分が時節を待っ
て開花するんじゃ。
人も同じでな、寒く
て辛くとも幸せな花
を咲かせる為にひた
すらに頑張らんとい
かんのんじゃ。
どうしたんじゃな？
お嬢さんこそ、しわ
くちゃ顔で泣いてお
るではないか！これ
で涙を拭きなさい。
食べながらでもよい
から続きを聞かせて
くれ。待ちきれん程
わしはワクワクして
きておるぞ(^O^)」







(恵子)
「お爺さん桜の木の
したで食べましょう
か。
これは、私が作った
お弁当なんですよ。
桜は春になると競う
ように鮮やかに咲い
てそして潔く散るん
です。なんか哀しく
もなりますね。
お爺さんどうしたん
ですか？
桜を見つめて、また
泣いてますね‥」







(爺ちゃん)
「すまん、すまん！
この桜の木を見てお
ったら昔が朧気に思
い出されての‥
家の庭に祝いでだっ
たと思うが桜の木を
植えたような…よく
思いだせんな。
ところでお嬢さんは
誰かの？
なんで泣いておる」



(恵子)
「また忘れたんです
か私は恵子ですよ！
お爺さんにお話しを
聞かせたりお弁当を
食べさせたりするボ
ランティアです」



(爺ちゃん)
「そうなのか(^O^)
ありがたいですな。
おぉ！このお煮しめ
は絶品じゃわ(^O^)
巻き寿司もな(^_^)v
わしの好物を知って
おるのか？味付けも
懐かしい味じゃよ」



(恵子)
「いっぱいたくさん
食べて下さいね。
食後は、お爺さんの
大好きなスイカもあ
るんですよ(^O^)」




(爺ちゃん)
「思い出したぞ！ス
イカ泥棒はどうなっ
たんじや？病気の母
親にスイカを食べさ
せようとして庭に盗
みに入って捕まえら
れて縁側で、お嬢さ
んのおじいさまに説
教された青年じゃよ
(笑)
早く聞かせてくれ」



(恵子)
「ゆっくり食べなが
ら聞いて下さいね。
祖父はスイカ泥棒の
青年に長々と説教を
したあと部屋にあげ
て、ご飯を食べさせ
てスイカまで持たし
て帰したそうです」



(爺ちゃん)
「ほお！お嬢さんの
おじいさまは偉いの
(*^o^*)
昔はそうやって諭し
たものじゃよ。もう
終わりなのか？続き
があるんじゃろ？」




(恵子)
「慌てないで(笑)
まだ甘くはないけど
スイカも食べながら
聞いて下さいね」



(爺ちゃん)
「わしは待ちきれん
ぞ(笑)
久しぶりにワクワク
した気分なんじや」



(恵子)
「その事件がきっか
けで旬になると青年
は自分の畑で作った
野菜を持ってきてく
れて、青年には父親
がいなかったせいか
私の祖父を本当の父
のように慕ったそう
です(*^o^*)」




(爺ちゃん)
「それはなんとも良
い話じゃよ(^O^)
なんか幸福な気分に
なれたわい(*^▽^)
スイカを泥棒したの
が縁なんじゃな」







(恵子)
「はい縁って本当に
不思議な物ですね。
そのスイカ泥棒さん
は、私のお父さんに
なりました♪」



■中編終わり■
後編へと続け(^O^)



♪命かけてと　誓っ
　た日から
すてきな想い出　残
してきたのに
あの時　同じ花を見
て
美しいと言った二人
の
心と心が　今はもう
通わない

あの素晴らしい愛を
もう一度
あの素晴らしい愛を
もう一度～♪


【作】あいたん