初めての情事の後…紅い蛍⑧
60代前半  東京都
2018/01/16 5:47
初めての情事の後…紅い蛍⑧
哈爾浜(ハルピン)の朝は早い。日の出を待ちきれないように人々が動き始める。


まだ薄暗い朝五時半だと言うのに、大八車やロバ引き車が、轍の音も猛々しく街路を走り回るので、僕は目が覚めてしまった。


よほど疲れていたのだろう。栄欄は僕の手を握ったまま、すーすーと寝息を立てていた。


その手をそっと解き、足元に乱れた毛布を掛け直そうと持ち上げると、

栄欄のバスローブの腰回りには、深紅の血の花が点々と散らばっていた。

僕は思わず息を呑んで、毛布でそれを隠した。



「何時なの?」


栄欄はそんな僕の気配に気づいたのか、虚ろに目を開け、肩肘をついて起き上がろうとしたが、


大きく開いた胸元を慌てて押さえながら、またベッドに崩れ落ちてしまった。


「まだ五時半だよ。九時に起こすから、それまでもう少しお休み」


肩口にキスをすると、栄欄はこくりと頷き、

焦点の定まらない視線を泳がせると、そのまま眠りに落ちてしまった。



初めての交わり。男の僕には計り知れない色々な思いや変化もあったのだろう。


襟元まで毛布を掛けてやりながら、僕は栄欄の寝顔を見つめた。


それは、利発で機敏な昼間の栄欄とはまるで違って、穏やかな幼女のような寝顔だった。


眉は薄く整えられていて、鼻筋は通り上唇は小さく湾曲し、下唇はそれほど厚くない。


顎から耳元へのカーブは穏やかな弓なりの曲線を描いている。


幼女のように見えたのは、色の白さと額の産毛のせいかも知れない。


誰かに似ているなと思ったが思いつかなかった。

近くて遠い…いや遠くて近い誰かに。


「ЙЩ∂〒θЙ…」


栄欄が突然寝言をつぶやいて、肩を毛布の外に出した。

更に、ひと言ふた言。


中国語なので、意味はわからない。肩をポンポンと叩いてやると寝言は収まった。



少し寝かせ、遅い朝食をとった後に、約束通り中央大街に指輪を買いに連れて行こう。


そうして、二人の気持ちに証を立てた後、


僕は彼女や彼女の身内、更に自分の両親や姉をも巻き込んだ、
日中の過去に真摯に向き合おうと思った。



気がつけば、東の空が赤く染まり朝日が昇り始めていた。

僕はベッドを離れ、早朝の街を見下ろした。


街の喧騒の彼方に、朝霧に霞んだ松花江(ソンフォアジャン)が見えた。


北朝鮮と国境を成す長白山系を水源に、東北大平原を潤しながら北に流れる大河は、

ここハルピンまで流れつくと、河と言うよりも湖に近くなる。


カヨコの舟は、この大河のどこかを寂しく漂っているはずだ。



     ★☆★



カヨコの舟…


この話の中に何度か出てくる「カヨコの舟」

その説明を放置しては、話の筋が成り立たないので、


ここで、一度話を僕が栄欄と初めて会った四日前の吉林に戻します。



八月一四日の午後四時、

吉林市で宿泊先のホテルの支配人の娘から通訳の栄欄を紹介された僕は、


二週間の通訳契約後、栄欄に誘われ、吉林市内の観光に出掛けた。


支配人の娘「令姐」は、栄欄の従姉妹だと紹介されたが、

二人は双子の姉妹のように、姿形は瓜二つだった。


上海、北京とつまらない旅に萎えていた僕は、


この二人の美人に遭遇して、少し浮き足立っていたのかも知れない。


夕刻になると、吉林市内には夥しい数の露店が出る。
そんな露店を冷やかしながら、


僕は栄欄に連れられて、松花江に掛かる吉林大橋に差し掛かった。


その時の僕は、

五五年前、この辺りで幼い命を散らした姉、カヨコのことをすっかり忘れていた。



そんな僕の前に、

姉カヨコは突然現れた。




      -続-



コピペ疑惑騒動で、ちょっと間があいてしまいました。


憶測で色々言われたので、この話、全体公開やめようかと悩みましたが、


とりあえずは、今のまま続行します。



元のストーリーでは、この後堅い話が続き、

瓜二つの従姉妹、栄欄と令姐の謎も絡んで、

僕と栄欄のHシーンはカットされていますが、



男と女…しない訳はありません(笑)

カットしないで、ありのまま「挿入」して行きたいと思います。





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コメント

70代以上  東京都

2018/01/16 19:40

20.  >>9 ツブ猫[猫]さん

ん?もしかして褒められてますか!www

ケツ貸しますか?それとも掘りますか?www

良くわかりませんがコキ逃げしますね!

どぴゅ!wwww

そう言えばチワン自治区から来た人が苗族だと話していましたね。

御家族の写真を見せて頂いたのですが衣装や装飾品が独特で日本の戦国武将みたいな兜をしていてえらくゴージャスでしたw

令姐と栄欄・・・いよいよ核心に近づいてきましたね。

続き早く!早く!wwww

60代前半  東京都

2018/01/16 19:18

19.  >>15 かなちん@モデル・榊原玲奈さん

かなちん、あけましておめでとうございます。

ミャオ(苗族)の一部は海を渡り弥生人(渡来日本人)になったと言われています。

なぜ栄欄にミャオ(苗族)の血が入ったのかは、文革の日本人刈りから逃れるためだった??

文革は主に漢族の学生が起こした暴動で、南の高地に住むミャオまでは浸透しなかったのです。

そこら辺は後でゆっくり…

60代前半  東京都

2018/01/16 19:01

18.  >>14 ひろりん[黒ハート][ウィンク]さん

そか5年前か…ん??

おいっ!

コラコラコラコラコラ!(笑)

70代以上  東京都

2018/01/16 18:30

17.  >>5 ( 'ω'o[ こころ ]o 癒えない心wさん
まて!ワイの日記って下ネタ&ウ●コのオンパレード説wwwwwww

あ、横レス膣礼しました。あ、失礼wwww

60代前半  東京都

2018/01/16 17:31

16.  >>13 銀毛狐 ~狐死して丘に首す~さん

一度も否定しないと、それが事実に化けて、更に枝葉がつく…
それも嫌ですからね。

はい、後は空気と同じ扱いで(笑)

2018/01/16 17:30

15. AC2000年の中国ハルピンの物語ですか?
中国残留孤児は親が出生届けすれば日本戸籍にも載ってたけど、日本政府は1958年に未帰還者の戦時死亡宣告して戸籍抹消してます。カヨコ姉さんはその時に亡くなったとされ、実は中国で生きていて栄蘭嬢を生んだということかな?
栄蘭の父親が[ミャオ族]って…[苗族]のことですね。私にはこの呼び名がなじみます。
叔父と姪が関係するのは昔の日本では珍しくないです。
先走りせず今後の展開を期待してます。

50代後半  兵庫県

2018/01/16 16:55

14. おつです(^O^)

シーツが真紅に染まる〓思い出しまつ
5年前 20才やったわ~( ̄ー ̄)

えっ? ナンチッテ~♪ヽ(´▽`)/(笑)(笑)

2018/01/16 12:07

13. お疲れさまだす<(_ _)>

いろいろ言う人達なんてどうせ面と向かったら何も言えんよな人達なんで空気とおんなじ扱いでええかと(ΦωΦ;)~゜
(笑)

60代前半  東京都

2018/01/16 10:54

12.  >>11 金子さん

いや、後半はないでしょ。僕と初めて会う人は、僕をなぜか怖い人だと思ってる(笑)

金子さんも何かモヤモヤしてるようだけど、コメしようにも、良く分からなくて…

あんまり引きずらない。
すっとぼける鈍感力。

パンチ[パンチ]は真綿で受ける。

↑↑
僕のワクワク処世術は、こんな感じかも。

金子[退]
40代半ば  東京都

2018/01/16 10:29

11. おはようございます(^-^)/

人に伝える文章……
読ませる文章……

こういうのですね…
オイラには無理(ヾノ・∀・`)

限定ではもったいないと思う♪
つぶさんは 言いたが言えでOKな人と
思ってますよヾ(・・;)

(゜m゜;)!?
お前に 俺の何がわかる!(o゚∀゚)=○)´3`)∴
知った風な口を利くな!ι(`ロ´)ノ

本当にこぞっこが(・ε・` )

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