白いアシカ③【ナマの代償】
「ごまかさないで!私はいつだって生身。だから由宇もナマで来て!」
「ナマって…本気か?」
亜衣は大きく頷いて、僕からふと目を逸らした。
思わぬ不意打ちを食らったけれど、好きな女にそこまで迫られたら逃げる道はもうない。
「本当に中に射つぞ。いいんだな?」
亜衣はコクリと頷いた。
「よし、わかった。一滴も残さずしっかり受け止めろよ」
「ありがとう。由宇に逃げられたらどうしようって思ってたの」
「失礼なヤツだな」
僕は少し乱暴に亜衣の顎を掴んで睨みつけ、笑いながら軽く唇を合わせた。
「ごめんね。由宇」
亜衣は僕の胸に額を預けて、少し涙ぐんでいる。
ナマ?亜衣の突然の心境の変化って何なんだ?
僕は脳天気に彼女の重大な何かを見落としていたのだろうか?
生身で亜衣と交わるのは二年前、彼女の家で初めて彼女を抱いた時…それ以来だった。
生涯、誰とも結婚はしないと明言していた亜衣に
どんな心境の変化があったのだろう?
でも、そんなことは今さらどうでもいい。
僕は限りなく優しい気持になって、亜衣の背に腕を回し抱き寄せた。
舌を絡め合いながら、僕の反り立った先端は難なく亜衣の源泉を探し当てた。
無粋な防具に邪魔されないと、亜衣の潤いや体温や息づかいまでもが僕の芯に語りかけてくる。
亜衣が腰を少し浮かせたので、僕の先端はいきなり熱い粘膜の中程まで吸い込まれてしまった。
「あっ!」亜衣が小さく叫んで目を見開いた。
頷き返して、僕は亜衣の中で跳ね始めた。浅く往復させたり、抜いては再び扉をくぐったり。
亜衣の粘膜は蜘蛛の糸。包まれているのは、僕の体のほんの一部なのに、全身が粘膜の海の中に絡め取られて行くようだ。
すっかり忘れていた生身の感覚がよみがえり、僕はち切れそうに硬くなった。
「ねぇ、もっと奥…」
「だめだ。すぐイきそうだ」
「いいのよ、我慢しちゃだめ!」
僕は半ば諦めて、亜衣の奥深くに突き立てた。
亜衣の声が1オクターブ跳ね上がる。
優しさに溢れた道半ばには、子宮口の盛り上がりがある。
射つ時はその辺りを狙って射ち放とう。本能が僕にそう語りかける。
亜衣は両膝を抱えて、さらに奥へと僕を誘う。
それならと思い切り奥を突くと亜衣は悲鳴を上げた。
「ごめん、痛かった?」
「ううん、大丈夫」
口を歪めながらも、亜衣は僕に微笑んで見せた。
よし、孕ませてやる!
後先も考えずに本気で思ったのはその時だった。
亜衣は先月32になった。付き合い始めて四年。体の関係ができてからも二年経った。
離婚直後はひどい男性恐怖症だったので、初めの頃は腫れ物に触るように慎重に扱ってきた。
すっかり慣れてきた今だってかなり気を使っている。
それが、なぜ今になってナマ?
僕の子を産みたいでも言うのか?それとも、僕を引き止めたいだけなのか?
まさに今、亜衣を貫いているのは凶器化した僕の角だけれど、
亜衣だって体を張って、僕の喉元にナイフを突きつけている。
「心配するな。オレは何があってもお前から逃げたりはしない」
小声でつぶやくと、亜衣が薄目を開けて一瞬僕を見つめた。
その細い両肩を押さえつけ、深い抜き差しを繰り返しながら、僕は次第に満ちてくる。
亜衣の泣き声が一瞬止み、僕の両肩に掛かった長い脚が大きく宙を泳いだ。汗がひたひたと亜衣の首筋に滴り落ちる。
「イっく!」
亜衣はそう叫ぶと、上半身を大きく泳がせ、僕の腕を跳ねのけた。
僕はそんな亜衣の腰骨を強く引き寄せて、最後の二突きを彼女の深海にねじ込んだ。
迫り上がる痙攣に身をまかせると、第一波が力強く亜衣の胎内に射ち放たれた。
余震は第六波まで続き、溢れるほどに亜衣の中を埋め尽くしていった。
★☆★
「由宇、凄かった…」
放心状態から薄目を開けて、亜衣がつぶやいた。
「亜衣、お前何か企んでるな?」
亜衣は僕に向き直ると、不敵に微笑んで見せた。
「ピルとか飲んでると思った?残念ね、私はいつだって無防備よ」
僕はふっとため息を吐いて苦笑した。
「だったら、今の一撃できっと出来るぞ」
「そう?だったらいいな」
亜衣は腰の下にバスタオルを引いて、乱れた髪を手で漉いている。
「いいな…ってお前」
僕は、亜衣のなだらかな腰骨の辺りを撫でながら、
何だか可笑しくなって、笑ってしまった。
その時、窓際に放置していたキリギリスのカゴから、オスの鳴き声が聞こえた。声は弱々しく掠れていた。
「かわいそう。お腹すかしてるんじゃない?」
「大丈夫、さっきレタスをいっぱい食べさせた」
去年の卵から孵化させた200匹のキリギリス達も、彼岸が過ぎて最後のカップルになってしまった。
僕は窓際から二匹が入ったカゴを枕元まで運んで亜衣に見せた。
「なんか色も黒ずんできちゃったね、この二人。メスはもう卵産んだのかな?」
「ああ、先週土の入ったケースに必死に産んでいた」
「ほんと、けなげよね。この子たちって。人間って、どうしてこんなにややこしいんだろ…」
亜衣は小声でそうつぶやきながら、ずいぶん長い時間、老いたキリギリスの夫婦を眺めていた。
二度目を誘うと、亜依は初めて僕を拒んだ。
「明日、早起きしてこの子たちを野原に帰した後でね」
そう言うなり、亜衣は僕に背を向けて寝息を立て始めた。
亜衣の悪企み…
その驚くべき全貌が明らかになったのは、
それからひと月後のことだった。
―続―
お前は魔女?{{{{(+_+)}}}}
女って、怖いですね。
何を考えているのか…
そうなんですよ。
僕のように単細胞精子脳男には
まったく見当すらつきません。
亜衣の悪企みって一体何なんでしょう?
コメント
2018/10/14 10:35
12. >>11 ゲスいけど品行方正でチョロい普通のジュブジュブ山ジュンメンバーさん
精子脳(笑)山ちゃんとかオレとか…本能>理性男は迫られるとヤバいね!
お二人とも名優で生々しいから、次は朗読会用の実写的なヤツ、何本か作ってプリントして持ってくよ。
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2018/10/14 10:15
11. おはようございます!
最中って余りの気持ちの良さに理性なんてぶっ飛んでその後の人生なんてどうでもよくなっちゃう感覚ありますよね。
次回楽しみにしてます。
(女の子の台詞を増やして下さい。特に喘ぎながらの←)
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2018/10/14 9:50
10. >>9 風来坊さん
おはようございます。女は怖い。
ちっパイの奥で何考えてるかわからんとです。
返コメ
2018/10/14 9:37
9. 次回が楽しみですね。待ってます(^-^)/
返コメ
2018/10/14 8:18
8. >>5 吉田羊子さん
ひつじ子??誰やお前(笑)
タネだけ取って、さよならか?
うーん、いいとこついてそうやけど、全然違うわい!(笑)
返コメ
2018/10/14 8:13
7. >>4 サンタさん
おはようございます。
今回はちょっとややこしい展開になりそうです(笑)
返コメ
2018/10/14 8:09
6. >>3 かよさん
私だって悪企みくらいするわ!
亜衣のこの一言が気になるのは、由宇も読者さんも(笑)
いつもありがとう。なるべく間を空けずに続けますね。
返コメ
2018/10/14 8:08
5. 結婚する(してる 男性の遺伝子はいらんくて
ゆうの子供を別の男性の子として育てる
とか?!
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2018/10/14 8:05
4. ツブさんおはようございます(^-^)ハハハ次回展開楽しみですね~(^-^)
返コメ
2018/10/14 7:49
3. おはようございます。
また、物語の中に引き込まれてしまいました。
ひと月後にわかる、「悪だくみ」って、何なんでしょう?続きが気になります。
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