風俗店の客になりすまして明日香を待つ由宇‥【落選小説②】
【うる萌え女学院】の受付はそんな町並みに立つ雑居ビルの六階にあった。
カメラ付きのドアホンを鳴らすと、パンタロンのベルトが今にもはち切れそうな、還暦超えのオバンが無言でドアを開けた。
どうやら、さっきの採用担当も、この婆さんらしい。
化粧がやたらに濃かった。彼女はじろっと由宇を見定めると、直後に不気味な笑顔を作った。
整形の失敗か鼻の片方にしかシワが出ない。
「あ、さっきのユリ指名の人だよね?早い予約で良かったね。最終まで三枠完売したよ」
「あ、はい‥」
完売?売り物じゃねえよ!この糞ババア!
殴りたい気持ちを堪えて、由宇は無難に対応した。
「えーと、九〇分で新人割だと一七〇〇〇円だね。オプションは何か?」
「あ、あのー、何が出来るのかな?」
オバンは頷きながら、カラー印字したケバい紙っ切れを差し出した。
由宇はそれを見下ろしたまま固まってしまった。
とても承服できる内容ではなかった。
指入れ、ローター、パンスト破り…千円
アナル舐め、聖水観察、電マ…二千円。
即フェラ、ゴックン…各三千円AF…八千円
「どうしたんだい?」
「‥‥‥」
「全部とか言わないよね?九〇分なら、プラス六〇〇〇円で即フェラ、ゴックンから二回戦てのがうちの定番でお勧めだよ」
オバンは、ケケケッと妙な笑い方をした。また、鼻の片方だけにシワが寄った。
「それ、ここにいる子は、みんな出来るの?」
「AFはね、さすがにやる子少ないね。でも他は全部やらせるよ。ここでお金もらってやらなきゃ契約違反ってもんさ。
この商売、お客のチクリが一番怖いからね。あ、コスはメイドとJKは無料だよ」
「あの、本番は?」
「言えないよ」
そう言って、オバンは片目をつぶった。
勧められるままオプション込み二三〇〇〇円を払って由宇は受付を出た。
指定されたホテルは、雑居ビルの数室を改装しただけの粗末なホテルだった。
ユリは本当に明日香なのだろうか?
明日香じゃなければいい。
いや明日香だと思うからこそ、ここまで来たんだ。
明日香なら俺はどう対応すればいい?
明日香は何に怯えているんだ?俺の話に耳を傾けるだろうか?
俺のやってる事は、そもそも余計なお世話なのか?
いや、その前に明日香は俺を見て逃げ出すかも知れない。
色々な思いが頭の中を駆け巡った。
約束の八時が過ぎたが、ユリはまだ現れない。
五分過ぎ十分が過ぎた。
由宇は、事務所の受付に確認の電話をしようと携帯を開けた。
その時だった。由宇の携帯のバイブレーターが震えた。
着信を確かめると、それは明日香からだった。
「由宇、今どこにいるの?」
それは鼻が詰まったような泣き声だった。
由宇は咄嗟に何から話せば良いのか、頭が混乱して一瞬言葉を失ってしまった。
「お前こそ、俺を着拒にしてたな!それはまあいい。今どこにいるんだ?」
由宇は、それだけ言って明日香の言葉を待った。
「今、秋葉原にいるの」
由宇は、ほっと気が抜けてベッドに座り込んだ。
「そうか、良かった!」
「何がいいのよ。いいことなんか一つもないよ!」
「お前は俺にウソをつかなかった。それだけで十分だ」
「ウソなんかつかないよ!私ね、ごめんね、実は風俗の面接を受けたんだ。
相談もしないでほんとにごめんね。だってそこね、日払いだし寮もあるんだよ。
亭主が私を探してるみたいなの。もうこれ以上由宇には迷惑かけられないし…」
「迷惑?もう十分かけてるだろう!
それでその風俗とやらはどうするんだ?本気でやるつもりなのか?」
「やるつもりだよ。やるつもりだったよ。それしかないじゃん!
でも、由宇には最後にお礼を言わなきゃ、言えなきゃね‥私、私‥私ね、自分が嫌いになって‥‥‥」
取り乱しているのだろう。受け答えは支離滅裂。
あとはもう涙声で、聞き取れなかった。
「由宇、さようなら。もうお客が待ってるから行くね」
「俺に一言の相談もなく決めたんなら、もう行くしかないじゃないか!」
「そう、そうだよね。やっぱり…そうだよね」
鼻水をすすり上げる声が聞こえた。
「★★ホテルの六〇一号室だぞ。間違ってよその部屋行くなよ」
「ええっ、なんで?」
「だから、六〇一号室の客は、たぶん明日香も良く知ってる超変態野郎だ」
「ええっ!」
「ええっ、うそっ!」
ガスッと音がしたのは、明日香が携帯を落とした音らしい。
直後にワアッと泣き崩れる声がした。
「お連れさまがお見えになりました」
ホテルのフロントから電話が入ったのは、そのわずか数秒後だった。
-続く-
長い話で申し訳けありません。
後半は、アダルトマークが入りますので、なれない方はスルーして下さい。
コメント
2015/06/10 11:43
8. ここからドえろになるの?
ドキドキ( 〃▽〃)
仕事の合間に読むのは危険だね。
終業まで待とぉ!笑
返コメ
2015/06/10 11:03
7. >>6 一堂くんさん
いやいや、元々頭の造りが単純なんで、深ぃい話は書けません。
ひねりは有っても、基本ラストに向かって直滑降ですよ。
ま、落語にもならん話です(笑)
返コメ
2015/06/10 10:46
6. すみません。「落選小説」を「落語小説」と読み違えていて、どこに落ちがあるんだろうと探してしまいました(^_^;)
返コメ
2015/06/10 10:27
5. >>4 彦散人さん
やっ、ラブホの帝王‥彦さんやないかい!(笑)
若い女はね、男を食うバケもんやで!気ぃつけな!
お互いな(笑)
返コメ
2015/06/10 9:43
4. おはようございます。
濡れ場も風呂場も大好き
修羅場はスルーですけど(笑)
3年前ってぇーと
拍手とエロいが
二者択一だった頃ですかぁー?
この続き
エロくなったら
気が弱いからどうしょうかなぁー(爆)
返コメ
2015/06/10 9:27
3. >>2 ニコニコさんさん
おはよう
ん?兄弟子にゃんこに反応したの?(笑)
③以降は、強烈な濡れ場が入るからね。
マジ、見ない方がいいかもよ(笑)
返コメ
2015/06/10 9:17
2.
あっ!間違えた
続き楽しみにしてます…でした
二回もコメントすみません;^_^A
返コメ
2015/06/10 9:15
1.
おはようございます♪
続きが楽しみにしてます^ ^
写真のネコちゃん可愛い!
癒されます♪
返コメ