愛犬ロクの思い出。生け捕りにした★ネズミ★二頭の運命は‥?
僕の家のタンスの上には、数枚の写真が立てかけてある。
その内の三枚は、12年前に12才で旅立ったシベリアンハスキー、ロクの写真だ。
ロクの両親は、共にチャンピオン犬で、本来はロクもコンテストを目指す筈だったのだが‥
肩高55CM以内の参加基準を10CMも超えた巨大なロクには、鼻から出場資格はなかったのだ。
加えて、やんちゃで剛力な彼は、女系家族のS家では飼いきれず、僕の家に貰われてきたのだった。
『由宇が牛を連れて来た!』
当初は半狂乱だった母も何とか落ち着き、
ロクは、生後7か月で僕の三人目の子供になった。
そんなロクは、途方もなく優しい性格の持ち主だった。
彼の優しさを語るエピソードは限りなくあるが、急にその一つを書きたくなった。
そうだ。あと一週間で彼の命日なんだ。
★☆★☆★
さて、当時木造二階建ての我が家にネズミが出るようになったのは、
ロクがうちの子になって、確か二年を過ぎた頃だった。
天井裏が騒々しいのは前からで、その位なら我慢していたものの、
ある日、僕と娘がぼ~っとテレビ見ていると、
テレビの前を何かが目にも留まらぬ早さで横切った。
思わず目を見合わせた僕と娘‥
『パパ‥』
『やっぱり見えたか?』
『ギ‥ギャ~っ!』
『ギャギャギャ、ギャ~っ!』
『うるさい!お前の声の方がよっぽど恐いわ!』
なんせ、ロクを含めて当時は五人家族の我が家‥
雑多な家財道具の間を疾風のように駆け抜けて、
チュウ太は、煙のようにいずこかへ消えた。
それからが大変だった。二日掛かりでチュウ太の出入り口を探し、
やっとキッチンのオーブンの下にそれらしき穴を見つけると‥
その下は、事もあろうにチュウ太達のトイレになっていたのだ。
チュウ太達‥そう、チュウ太は単独ではなかったのだ。
それから約二ヶ月‥チュウ太達と僕ら五人家族の熱い戦いが始まった。
でも‥
その時は誰も知る由もなかったのだ。
五人家族の中に、裏切り者がいることなど‥
/(*_*)〃\
★☆★☆★
当時の僕の家は、二階に寝室があり、
一階のダイニングを寝室として占領していたのはロクだった。
チュウ太達による食品への被害は、その頃すでに、僕らの我慢の限界を超えていた。
袋物は食い破られ、宙に吊しても無駄だった。
ろうそくや石鹸まで食われ、それらを全部片付けると、
チュウ太達は、ロクのご飯を標的にした。
ロクの散歩中に、息子がロクの茶碗から逃げ去るチュウ太を発見したのはその頃だった。
僕ら家族は、ついに意を決し、夜中に大捕り物を敢行することになった。
いざ当日‥
あらかじめ考えられる逃げ場は塞ぎ、雑多なガラクタは移動。
見通しを良くし、捕獲用には透明なゴミ箱と、長尺1m幅の巻物を用意した。
まず洗面台の下から子ネズミが飛び出し、
殆ど同時にテレビの裏からもう一匹が飛び出した。
『キャ~~~っ!』
『ギャ~~~っ!』
『ギャオ~~っ!』
女達の怒号と悲鳴がこだまするまさにその時‥
僕は、のそっと立ち上がり、キッチンの隅に移動するロクの姿を目に捉えた。
ロクが腰を下ろした先に、僕達は信じられない光景を目の当たりにする。
子ネズミ2頭が同時に逃げ込んだ先は、
何と、ロクの腹の下だったのだ。
長尺シートを広げ、ゴミ箱を構えて僕は怒鳴った。
『ロク!そこをどけ!』
どうしたの?とスッとぼけるロク‥
ドンと構えて動かない。
もう読めていた。
『こいつらに自分のご飯食わせたり、狼藉を見て見ぬふりしてたのはお前だな!』
ベロを出し、素知らぬ顔を決めるロク。
僕は鬼の様な形相を解いて、ロクに微笑みかけた。
『わかった。悪いようにはしないから、そこをどきな!』
そわそわし始めたロク‥
『ほら、いいからどきなさい!』
ロクの奴、何度か僕の微笑みを確認してから、やおら立ち上がった。
『チュ~!』
一瞬固まるチュウ太達‥
一頭には素早くゴミ箱をかぶせ、
もう一頭には長尺シートを広げて、部屋の隅に追い込んだ。
シートを丸めながら、チュウ太をその底に追い込んでゆく。
大成功!と思いきや、
丸めた長尺シートの壁を難なく駆け上るチュウ太!
慌ててその頭を叩き、下に払い落とした。
ようやく2頭を鳥籠にブチ込むのに、約一時間かかった。
ふう~っ‥
ロクが籠の中をのぞき込み、キュ~ンと小さな声で泣いた。
『さぁ、どこに逃がそうか‥こいつら』
『えぇ~っ、まさか逃がすの?』と家族達‥
でも、事の成り行きを見、僕の性格を知り抜いている彼らは、もうそれ以上突っ込んでは来なかった。
★☆★☆★
一目につかない日曜日の早朝‥
僕と娘とロクが、車で向かった先は、世田谷の馬事公苑。
多くの障害競技馬や警察の警備馬が飼育調教されている、巨大な公園だ。
厩舎の鉄柵の前に車を止めた僕は、回りに目を配り、
一気に鳥籠の入り口を開け放った。
後も振り返らず鉄柵に疾走するチュウ太兄弟。
『終わったね~』放心する娘‥
『お~ぃ、二度と戻ってくんじゃねぇぞ!』
『馬に踏み潰されんなよ~!』
その様子を耳を立ててジ~ッと見つめていたロクは、
二頭が視界から消えて初めて‥
『キュ~ン』と泣いた。
ロクよ~
お前って、番犬には全く向かない呑気な奴だったけど‥
なんつ~か、ホントにほのぼのとしたいい奴だったな~
今、つぶ君‥って言う猫がうちにいるけどさ‥
お前の誕生日に失踪先からやっと戻ってきたんだよ。
お前か‥やっぱりお前が探してくれたのかな?
ロク、ありがとうね!
キミと暮らした12年は、死んでも忘れないよ!
ありがとう、ロク‥
天国の居心地はどうだい?
僕の匂いを覚えているよね?
僕ももうすぐ行くから、忘れないで待っててくれよ!
この日記は、僕が一時期退会する前に、別のハンネで書いたものを再編集しました。
コメント
2015/09/06 13:09
20. >>19 ゆちゃさん
こんにちは
いやいや、僕もちゅー太は苦手ですよ。
ほんと、気のいいにも程があるワンコでした(笑)
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2015/09/06 12:52
19. 優しいね~
信じられない行動だよね…
でも…
チュウ太怖い~笑
返コメ
2015/09/06 11:41
18. >>16 ゆうさん
ネズミや青大将は以前にも捕まえては、
こっそり多摩川の河原に放していたんだよ。
ネズミは害獣だけど、一応人間に近い哺乳類だからなぁ。
返コメ
2015/09/06 11:38
17. >>15
うさこ![[ハート]](https://img.550909.com/emoji/ic_heart.gif)
さん
こんにちは。たった12年だったけど、
この子がいなかった人生なんて、考えられない。
ある意味、家族かそれ以上の存在だったね。
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2015/09/06 11:07
16. ギャップ萌え~(๑´ㅂ`๑)〓*.+゜
友人のお祖母さんが朝から庭でバケツを見つめていたそうです。
近付いてみるとねずみ捕り機が水を張ったバケツの中に。
中には捕まったネズミがもがき苦しんでいて…
って話を思い出した(。-∀-)
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2015/09/06 10:57
15. こんにちは(^ー^)
ほんわか愛らしい▽・w・▽ですね。
天国でもそんななのかな~(o^^o)
番犬にならなくても、ずっと覚えててあげられるくらいの時間が過ごせることが幸せですよね。
うちのわんこも自分を犬だと思ってませんよ(笑)
家族だから良いんです(*´ー`*)
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2015/09/06 10:27
14. >>11 てんてんさん
はじめまして。コメありがとう。
標準ハスキーの約倍の体重のロクは見かけだけで番犬になりましたが、
中身はこんなヤツでした。
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2015/09/06 9:58
13. >>9 真子《理想の男性は新撰組三番隊組長斎藤一》さん
見つけてくれてありがとう。
おはよう
うちの息子と娘は年も近いので、喧嘩がしょっちゅう。
そんな時、ロクは階段駆け上がって息子の体を押さえつけて仲裁するんだよね。
ホント、喧嘩が嫌いな穏やかなヤツでした。
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2015/09/06 9:52
12. >>7 アギーさん
おはよう
この形相でずいぶん損をしてるね。ハスキーは‥
猫パ◎チ初期の頃に上げた日記が元です。
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2015/09/06 9:50
11. はじめまして![[にこにこ]](https://img.550909.com/emoji/ic_smile.gif)
昔飼ってた、柴犬もスズメにご飯食べさせる優しい子でした。おっとりした犬って癒やされますね
優しい子だったんですね。ハスキーは、凛々しい顔で好きです
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