★さらば童貞★②…マドンナ尚子さんとの再会
60代前半  東京都
2015/10/16 8:09
★さらば童貞★②…マドンナ尚子さんとの再会
最後の都大会から一年が過ぎて、僕と浩太は高校生になっていた。



入った高校は図らずも同じだった。



でも浩太は余裕で合格。僕はやっとの思いで引っ掛かったと言う感じだった。



高校入学時に、僕達は野球部に誘われはしたが、浩太と相談して辞退した。




あの中学最後の都大会は、転校生として奇異な目で見られていた僕達の、一つのパフォーマンスだったのだ。




僕達は中学時代にも増して親友ではあったが、




浩太は、学業の方で一躍頭角を表し、


逆に僕はあることに心を奪われていて、彼との成績の格差は広がる一方だった。



あること‥それは、紛れもなく尚子さんだったのだ。



あの日、ボールを追ったリキに引き倒されながら、僕に駆け寄ってきた尚子さん。



ポケットからハンカチを取り出す時に見えた、白くて滑らかな脇腹。



その白さは、一年経った今も僕の網膜に焼き付いていて、一時も離れることはなかったのだ。



ゴールデンウイークが間近なある日のことだった。



下校途中の僕は、チャリで遠回りをして、やはり多摩川土手をノロノロ走っていた。



もしかしたら、尚子さんに会えるかも知れない。



でも、そんな淡い夢は叶うこともなく、あれからもう一年が過ぎようとしていた。



沈んだ気持ちを奮い立たせて、僕は普段通る川沿いの道を逸れて、



田園調布の住宅街に繋がる急坂を、勢いをつけて登った。



一つ目、二つ目、三つ目の角で息が切れた僕は、チャリのハンドルを左に切って、



荒い息を整えながら、平坦な横道をダラダラと走った。



アゲハチョウが二羽、寄り添いながら蜜柑の木の間をひらひらと舞っていた。



古い屋敷の垣根の間から多摩川の流れが見え、その奥に霞んだ富士山が見えた。



僕はチャリを止めて、そんな景色に目をやっていた。



その時だった。



突然『ガゥ‥ガゥ~』と猛獣のような声が辺りを揺るがした。



そして『キュ~ン』と言う泣き叫ぶような声‥



リキだった。



リキは雄叫びを上げながら走り回り、時折月桂樹の生け垣をよじ登ろうと暴れ回った。




「リキ!」



僕はチャリを蹴倒してリキに近づいた。



リキは生け垣の枝葉に手を突っ込んで、外の僕に触れようとする。



僕も手を伸ばすと、熊のようなリキの手に触れた。



生け垣の隙間から、広い芝生の庭が見え、その奥に白い平屋の戸建てが見えた。



「いったい何の騒ぎなの?」



僕の心臓はバクバク鳴った。



「あらっ、由宇くんじゃない!」



鉄の門扉が開いて、こちらを覗き込んだのは、紛れもなく尚子さんだったのだ。





     ★☆★



表札には、D・NAOKOと英文字が書かれていた。



更にその横には『N.D音楽教室』と白塗りの板に青文字の看板があった。



「お久しぶりです。たまたま通りかかったら、リキが僕に気付いてくれて‥」


「由宇くんって、また背が伸びたのね」



僕は招かれるまま、門の中に入った。



「ピアノの先生だったんですね?」



「そうなの。最近、生徒さんが増えて、なかなかリキのお散歩に行けないのよね」



尚子さんは、門に錠をかけるなり、



「ほんと、一回り大きくなったわ」



そう言って、僕の真正面に立ち、頭のてっぺんに置いた手の平を僕に向かって平行に動かせた。



尚子さんの手は、僕の鼻の頭で止まった。



同時にふわっとした香りが僕の胸いっぱいに広がった。


甘くて少し生臭さを含んだ不思議な香りだった。



一年会わない間に、尚子さんも少し変わっていた。


背中まであった髪は肩の辺りまでで揃えられていた。



「広いお宅ですね。豪邸って言うんだろな?」



「でも、この子がいなければ、私一人じゃ怖くて住めない」



えっ、ここに一人で住んでいるの?僕は出掛かった言葉を飲み込んだ。



尚子さんとは、もっと話したいことが一杯あったからだ。



リキは、僕と尚子さんが話している間も、僕に頭突きをかまして挑発してくる。



そんなリキを宥めながら、尚子さんが呟いた。



「リキはね。女一人じゃ淋しいし不用心だろうって、二年前な実家の父が連れてきてくれたの」



「そうなんですか?リキも二歳になってまた大きくなりましたね」



尚子さんは、何か僕に話したい素振りだったけれど、僕はあえてそれ以上
は聞かなかった。



リキがうるさく僕に絡みついていたからだ。



適当にあしらっていたのだが、突然あの巨体で立ち上がって肩を押され、僕は尻餅をついた。



「こいつ!やったな!」



起き上がってリキの首根っこを押さえようとすると、



面白がって、玄関と裏木戸の間を走り回るものだから、リキは勢い余って餌箱を蹴飛ばした。



「もうっ!いい加減にしなさいっ!またカラスが来るでしょ!」



尚子さんは、甲高い声でリキを叱りつけた。



「カラス、嫌いですか?」


「大っ嫌い!前に古い物干を壊していたら、私‥二羽に襲われたのよ!」



尚子さんは屈んで、リキが犬走りに蹴散らしたカリカリを拾い始めた。



僕も屈んで拾うのを手伝った。



「もう野球、やらないの?」


カリカリを拾いながら尚子さんが聞いた。



「ええ、僕の野球は浩太とセットでしたから‥」



「ほんと二人は息がぴったりあっていたわよね‥」


「尚子さんは、野球好きだったんですか?」



「あなた達の試合見に行く前に、ルールを勉強したわよ」



思わず目を合わせて笑ってしまった。



四方に散らばったカリカリを拾い集めている内に、


いつの間にか僕と尚子さんは、かなり接近していた。


額と額が30センチ位の距離まで‥



尚子さんは、いつものジーンズではなくて、裾を折った白のショートパンツに、緩めのトレーナーと言う格好だった。




僕はギョッとした。



弛んだ襟元の奥に、尚子さんの二つの乳首をはっきり見つけてしまったから‥



夕日が差し込んでいたから、小さな白い丘の真ん中にある、濃いピンクのつぼみが酷く誇張されて‥



僕は思わず目を逸らし、横の植え込みの中に飛び散ったカリカリを拾い集めた。



「そっちの方はもういいわよ」



尚子さんは、僕の視線には全く気づく様子もなく、必死に両手でカリカリを集めている。



僕は気が気ではない。



見るなと言っても見えてしまう。そこで僕はとんでもない失態をやらかしてしまった。




       ―続―


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コメント

70代以上  東京都

2015/10/20 1:05

40.  >>39 ツブネコ[芽]さん
本当だ
そうだよね

内容と写メは合った方が、良いですよね。

60代前半  東京都

2015/10/20 0:56

39.  >>38 カジュアルさん

うーん、でもね‥

なるべくなら、内容に合った挿し絵を使いたいんだよね。

例え拾い画でもね‥

70代以上  東京都

2015/10/20 0:40

38.  >>36 ツブネコ[芽]さん

そうだったのですか!

じゃあさ、写メのみ動物にすれば、パパさんの自由に書けますね。

良かった。

70代以上  東京都

2015/10/18 16:52

37.  >>36 ツブネコ[芽]さん

運営から説明を聞いて良かったですね。

良かった。

60代前半  東京都

2015/10/18 16:31

36.  >>35 カジュアルさん

こんにちは。いろいろ心配かけました。

削除理由は、鎖骨から首を撮った写メに、乳首の回りの乳輪の端っこが微かに写っているから‥

だそうです。

多分、それに通報があったみたいですね。

写メ注意ですね!

70代以上  東京都

2015/10/18 15:53

35.  >>28 ツブネコ[芽]さん

何も気にせず、書く為には、

運営に、何故ダメだったのかを聞いた方が良いと思います。

気にして書いてると文章が広がらなくなるし、

具体的説明を聞いた方が良いと思います。

60代前半  東京都

2015/10/17 23:13

34.  >>33 ちゅろ[台風]じゅん〓さん

どっかから、借りてくればいいよ(笑笑)

60代半ば  富山県

2015/10/17 21:14

33.  >>32 ツブネコ[芽]さん
あちゃー、 ぶっ飛ぶ写メは無いない!(笑)[わーい(嬉しい顔)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]

60代前半  東京都

2015/10/17 12:46

32.  >>30 ちゅろ[台風]じゅん〓さん

②の方にもコメが[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]

ダメだよ。ちゃんと確認してから投稿しなきゃ!

それとも、ぶっ飛ぶくらいの写メ載せるか?(笑)

60代前半  東京都

2015/10/17 12:42

31.  >>29 ニコニコさんさん

こっちのコメ、遅れてる!

お帰り。ずいぶん遅かったんだね?

どっかで飲んでたの?

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