★さらば童貞★②…マドンナ尚子さんとの再会
最後の都大会から一年が過ぎて、僕と浩太は高校生になっていた。
入った高校は図らずも同じだった。
でも浩太は余裕で合格。僕はやっとの思いで引っ掛かったと言う感じだった。
高校入学時に、僕達は野球部に誘われはしたが、浩太と相談して辞退した。
あの中学最後の都大会は、転校生として奇異な目で見られていた僕達の、一つのパフォーマンスだったのだ。
僕達は中学時代にも増して親友ではあったが、
浩太は、学業の方で一躍頭角を表し、
逆に僕はあることに心を奪われていて、彼との成績の格差は広がる一方だった。
あること‥それは、紛れもなく尚子さんだったのだ。
あの日、ボールを追ったリキに引き倒されながら、僕に駆け寄ってきた尚子さん。
ポケットからハンカチを取り出す時に見えた、白くて滑らかな脇腹。
その白さは、一年経った今も僕の網膜に焼き付いていて、一時も離れることはなかったのだ。
ゴールデンウイークが間近なある日のことだった。
下校途中の僕は、チャリで遠回りをして、やはり多摩川土手をノロノロ走っていた。
もしかしたら、尚子さんに会えるかも知れない。
でも、そんな淡い夢は叶うこともなく、あれからもう一年が過ぎようとしていた。
沈んだ気持ちを奮い立たせて、僕は普段通る川沿いの道を逸れて、
田園調布の住宅街に繋がる急坂を、勢いをつけて登った。
一つ目、二つ目、三つ目の角で息が切れた僕は、チャリのハンドルを左に切って、
荒い息を整えながら、平坦な横道をダラダラと走った。
アゲハチョウが二羽、寄り添いながら蜜柑の木の間をひらひらと舞っていた。
古い屋敷の垣根の間から多摩川の流れが見え、その奥に霞んだ富士山が見えた。
僕はチャリを止めて、そんな景色に目をやっていた。
その時だった。
突然『ガゥ‥ガゥ~』と猛獣のような声が辺りを揺るがした。
そして『キュ~ン』と言う泣き叫ぶような声‥
リキだった。
リキは雄叫びを上げながら走り回り、時折月桂樹の生け垣をよじ登ろうと暴れ回った。
「リキ!」
僕はチャリを蹴倒してリキに近づいた。
リキは生け垣の枝葉に手を突っ込んで、外の僕に触れようとする。
僕も手を伸ばすと、熊のようなリキの手に触れた。
生け垣の隙間から、広い芝生の庭が見え、その奥に白い平屋の戸建てが見えた。
「いったい何の騒ぎなの?」
僕の心臓はバクバク鳴った。
「あらっ、由宇くんじゃない!」
鉄の門扉が開いて、こちらを覗き込んだのは、紛れもなく尚子さんだったのだ。
★☆★
表札には、D・NAOKOと英文字が書かれていた。
更にその横には『N.D音楽教室』と白塗りの板に青文字の看板があった。
「お久しぶりです。たまたま通りかかったら、リキが僕に気付いてくれて‥」
「由宇くんって、また背が伸びたのね」
僕は招かれるまま、門の中に入った。
「ピアノの先生だったんですね?」
「そうなの。最近、生徒さんが増えて、なかなかリキのお散歩に行けないのよね」
尚子さんは、門に錠をかけるなり、
「ほんと、一回り大きくなったわ」
そう言って、僕の真正面に立ち、頭のてっぺんに置いた手の平を僕に向かって平行に動かせた。
尚子さんの手は、僕の鼻の頭で止まった。
同時にふわっとした香りが僕の胸いっぱいに広がった。
甘くて少し生臭さを含んだ不思議な香りだった。
一年会わない間に、尚子さんも少し変わっていた。
背中まであった髪は肩の辺りまでで揃えられていた。
「広いお宅ですね。豪邸って言うんだろな?」
「でも、この子がいなければ、私一人じゃ怖くて住めない」
えっ、ここに一人で住んでいるの?僕は出掛かった言葉を飲み込んだ。
尚子さんとは、もっと話したいことが一杯あったからだ。
リキは、僕と尚子さんが話している間も、僕に頭突きをかまして挑発してくる。
そんなリキを宥めながら、尚子さんが呟いた。
「リキはね。女一人じゃ淋しいし不用心だろうって、二年前な実家の父が連れてきてくれたの」
「そうなんですか?リキも二歳になってまた大きくなりましたね」
尚子さんは、何か僕に話したい素振りだったけれど、僕はあえてそれ以上
は聞かなかった。
リキがうるさく僕に絡みついていたからだ。
適当にあしらっていたのだが、突然あの巨体で立ち上がって肩を押され、僕は尻餅をついた。
「こいつ!やったな!」
起き上がってリキの首根っこを押さえようとすると、
面白がって、玄関と裏木戸の間を走り回るものだから、リキは勢い余って餌箱を蹴飛ばした。
「もうっ!いい加減にしなさいっ!またカラスが来るでしょ!」
尚子さんは、甲高い声でリキを叱りつけた。
「カラス、嫌いですか?」
「大っ嫌い!前に古い物干を壊していたら、私‥二羽に襲われたのよ!」
尚子さんは屈んで、リキが犬走りに蹴散らしたカリカリを拾い始めた。
僕も屈んで拾うのを手伝った。
「もう野球、やらないの?」
カリカリを拾いながら尚子さんが聞いた。
「ええ、僕の野球は浩太とセットでしたから‥」
「ほんと二人は息がぴったりあっていたわよね‥」
「尚子さんは、野球好きだったんですか?」
「あなた達の試合見に行く前に、ルールを勉強したわよ」
思わず目を合わせて笑ってしまった。
四方に散らばったカリカリを拾い集めている内に、
いつの間にか僕と尚子さんは、かなり接近していた。
額と額が30センチ位の距離まで‥
尚子さんは、いつものジーンズではなくて、裾を折った白のショートパンツに、緩めのトレーナーと言う格好だった。
僕はギョッとした。
弛んだ襟元の奥に、尚子さんの二つの乳首をはっきり見つけてしまったから‥
夕日が差し込んでいたから、小さな白い丘の真ん中にある、濃いピンクのつぼみが酷く誇張されて‥
僕は思わず目を逸らし、横の植え込みの中に飛び散ったカリカリを拾い集めた。
「そっちの方はもういいわよ」
尚子さんは、僕の視線には全く気づく様子もなく、必死に両手でカリカリを集めている。
僕は気が気ではない。
見るなと言っても見えてしまう。そこで僕はとんでもない失態をやらかしてしまった。
―続―
コメント
2015/10/17 0:40
30. つぶねこさんの表現に納豆でなく納得! 私はピュアに間違ってアダルト付け閲覧〓してた事有り。〓二倍位閲覧〓してた!(笑)男性ぐんは読んでがっかりだったかもね~。
返コメ
2015/10/17 0:16
29.
ただいま^ ^
再投稿でしたか
続きが楽しみです (*´∀`人)
返コメ
2015/10/16 19:00
28. >>25 カジュアルさん
写メなら、写メだけ削除されたことは何度かあったけどね。
僕が気をつけるしかないのかな?
返コメ
2015/10/16 18:40
27. >>24 信太さん
こんばんは。
明日朝の分は大部分書き終えてるよ。
エロいか?と聞かれれば、エロいよ(笑)
返コメ
2015/10/16 16:19
26. >>23 かなちん@ワクワクLife自叙伝-連載開始さん
こんにちは。調子狂っちゃいましたよ(笑)
僕なりにピュアとアダルトの境界には気をつけていたんですけどね
返コメ
2015/10/16 16:06
25. >>22 ツブネコ
さん
写メかな?
文章は官能小説だと思ったけどね。
運営に聞くとかは?
続けて日記を書く為には、ワクワクに具体的な説明を聞いた方が良いと思うよ!
返コメ
2015/10/16 14:42
24. >>11 ツブネコ
さん
書いてイライラは
精神衛生上、良くないわ(笑)
ここはアダルト!
思いきりエロエロ発揮して
書きなぐるがいいわ♪
返コメ
2015/10/16 12:50
23. アダルトマーク付けて、乳首画もセットで再投稿ですか!?![[わーい(嬉しい顔)]](https://img.550909.com/emoji/ic_smile.gif)
日記本文自体はアダルト性無しでしょう…むしろ純文学っぽいかな
前回の強制非公開は、通報あってサポートも対処したのでしょうけど、これも有名税ですかね
返コメ
2015/10/16 12:19
22. >>21 カジュアルさん
の絵とか、リキのイメージ画だったからね。
いや、ピュアでギリギリいけるかな?と思ったんだよ。
写メも
でも、鎖骨まわりの肌の写メがダメだったのかな?
返コメ
2015/10/16 12:02
21. >>18 ツブネコ
さん
(^-^)
同じ日記でも良いじゃん!
でも、アダルト付け忘れは、笑えた。
最初は何?ってビックリしたけどね。
パパさんにも天然っぽい所があって、逆に人間らしさなど分かり良かった。
(^-^)
私も天然だけどね。
(^-^)
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