恥ずかしくて人には言えない趣味の話。
60代前半  東京都
2016/08/28 6:40
恥ずかしくて人には言えない趣味の話。
毎年、くそ暑い夏がくると、僕は何故かそわそわして仕事が手につかなくなる。


女が薄着になるから?


まあ、それは大いにあるが、そればかりではない。



数日前も、仕事をちょっとサボって真昼の多摩川の河川敷を探索した。



僕には、行きつけの川が三カ所ある。



多摩川中流の東京都側。


埼玉県西部、荒川水系上流の越辺川(おっぺ川)


更にその上流で秩父寄りの都幾川(とき川)だ。




そんな所で何してる?って聞かれる前に白状しよう。


実は僕、人にはあまり言えない変な趣味があって、



それは、生き物を繁殖させること。


難しい言葉を使うと、累代飼育って言うんだけれど、


つまり、♂♀を交尾させ卵を産ませて、一人前になるまで面倒を見る。


そして、その生まれた子供達も次の世代の親にする。それを毎年繰り返すわけ。



生き物の繁殖たって、もちろん生きてりゃ何でもいいわけじゃない。



僕が♂役を独占して、人間の♀を次々に孕ませられたら、それは最高だけれど、


一生、シャバのメシは食えなくなる(笑)


その前に、人間の♀は頭が良くずる賢くて、そのくせ挑発することには長け、


単純な僕なんかの思い通りになるわけもない。




ま、女について語り始めるとキリがないんで、川と僕の話に戻るけれど、



首都圏の川で豊かな自然が残っている河川敷は、殆ど姿を消してしまった。


荒川は、以前は虫達を始め小動物の宝庫で、夏になればヒガシキリギリスが賑やかに鳴いていた、



でも荒川水系を川越まで逆上り、入間川から越辺川と名が変わっても、まだキリギリスはいない。


そんな筈はないと、三年前二日かけて探し回ったけれど、やはりいない。



僕が子供の頃は、河原はもちろん休耕地や町中の原っぱにだって普通にいたヒガシキリギリス。



愛すべき彼らは急速に生息数を減らし、今はレッドデータに登録寸前だ。




     ★☆★



そんなわけで、僕の無謀な挑戦、準絶滅危惧種のヒガシキリギリスの自家繁殖は、三年目の正念場を迎えた。



自家繁殖。つまり、卵を産ませ保存し、翌年春の孵化から羽化までの約100日間を育て上げ、



新しい生息地に離して根付かせるわけだが、


これが始めてみると、とんでもなく大変な作業。


カブトムシやクワガタの繁殖の百倍も大変だ。



確証はないけれど、直翅類(バッタ)の祖先は、
エビだと思う。


か弱い小エビ達は、約4億数千万年前、多分母なる海から新天地を求めて陸に上がり、


気管呼吸の機能を得て陸に適合し、バッタ類に分化していったのだろう。



その名残が、下半身の驚くべき跳躍力や、卵から成虫まで数度にわたる脱皮を繰り返すと言う生態に残っている。


ヒガシキリギリスの場合も、約10日毎に8度の脱皮を繰り返して大人になる。


でも、彼らの一生は長くても半年。



多くの天敵から逃げ伸び、繁殖と言う自分達の役目の為だけに生き続け、


それを終えると、静かに土に還って行く。


彼らのその潔さを僕は愛して止まないのだ。


でも、世の中にはキリギリスを繁殖しよう!なんて物好きは殆どいないらしい。


だから、飼育マニュアルなんてものは殆ど無く、食餌から脱皮環境を整えてやるまでは全くカンの作業なのだ。



僕の飼育下では、自然界よりひと月早い3月初旬に孵化する彼らは、


米粒ほどの大きさから、8度の脱皮を経て、6月始めには5センチほどの成虫になる。


そこから更に一週間、♂は♀を求めて鳴き始める。


飼育マニュアルがないと言うことは、

成長ごとの餌とか、脱皮環境を整えてやる作業など、みんな手探りなのだ。


そんなわけで、今年も繁殖期を迎える約100匹のうち、一部を残してとある河川敷に放した。



一昨年、去年と放した彼らのご先祖が、自然繁殖して、子や孫達が鳴き合ってはいるけれど、



まだまだ、生息地が再生したと言うには不十分なのだ。




     ★☆★




なぜ僕が、好きな日記もご無沙汰して、



そんな馬鹿なことに血道を上げてるの?と聞かれると、


馬鹿だから‥と答えるしかないのだが、


僕は昆虫に、ある意味、畏敬の感情を持って接している。



僕ら人間が地球上の陸の覇者なら、昆虫は陸上の全ての生物の始祖。



つまり大先輩なのだ。




現人類の祖先ホモサピエンスの歴史が20万年なら、


4億8千年前に、母なる海から厳しい陸に這い上がってきた昆虫。


彼らは我々人間の2400倍もの長い歴史を持っている。


彼らは、幾多の繁栄や絶滅を繰り返しながら、


自分達の種を地球上に残す術を今も探り続けている。



そんな愛すべき同朋達の居場所を奪うのが我ら人間の都合なのだ。



虫達や小動物達が次々と絶滅に追い込まれる地球。


人間だけが快適な世界って、本当に快適なのだろうか?


僕には、とてもそうは思えない。



     ★☆★




つい先日、迷い蝶ってタイトルで官能日記を書きましたが、


まさにそんな美しい迷い蝶を多摩川で発見しました。


本来は台湾や先島諸島を生息域にしているタテハ蝶の仲間。


アカモンゴマダラ‥


幼虫期には、エノキの葉を食い、


羽化後は、広葉樹の樹液を吸う。


生態も姿形も、日本の国蝶オオムラサキに良く似た美しい蝶です。



同時に二匹いたと言うことは、迷い蝶にしろ渡来蝶にしろ、


関東の自然に適合したと言うことで、僕はとてもハッピーな気分になった。


この樹液には、昼夜のシフトを破って現れたカブトムシやコクワガタまでいた(笑)



① 8度目の脱皮に成功したばかりの♂


② 晴れて交尾中のヒガシキリギリス。(下が♀)



③ 多摩川で発見したアカモンゴマダラ



コメントする

コメント

60代前半  東京都

2016/08/29 9:42

50.  >>48 マジックリンさん

雑木林や草原は切り開かれて太陽光パネルが並び、

蚊が運ぶ伝染病対策に、強力な薬剤を散布。

虫達はひとたまりもありませんね[バッド(下向き矢印)]

川に、腐るほどいたメダカが絶滅危惧種ですよ。
信じられません。

60代前半  鹿児島県

2016/08/29 6:33

49. 
キリギリスは、うちのあたりでは自然に生存し鳴き声に癒されます。

ツブさんは、学者でもあるんですね!?

50代半ば  宮城県

2016/08/29 0:58

48. こんにちは。
先日仙台の水族館で絶滅寸前の昆虫達を観てきました。
ゲンゴロウやヤゴなんかの子供の頃いっぱい採って遊んだ昆虫は今絶滅寸前。かなりビックリです。

そういえば子供の頃家の前で飛んでいたホタルはみなくなりました。

昆虫でさえ住めない環境ってどうなんでしょうね(-_-;)

60代前半  東京都

2016/08/28 23:37

47.  >>46 心愛|ョω・o)生きた屍さん

こんばんは。

そちらは自然が多そうだね。神経質で臆病なキリギリスが家に入ってくるって聞いた事がないから、

きっとヤブキリか灯りが好きなカヤキリじゃないかな?

コオロギはエンマ、オカメ、ミツカド、スズムシも平気で家に入ってきますね。

鳴き声は羽割りの音チョンと、その後2秒位ギースって鳴くんだよ。

2016/08/28 23:21

46. 
ついさっきまでキリギリスが
うるさい位に鳴いてましたね。
家の何処かにいたみたい……
日中は玄関を開け放ってるので
たまに蛙や蝉、コオロギ、キリギリス
かみきり虫などが入って来るんだ
よね。
それをハンターの如く、龍に捕獲
されて天に召されるという( ̄▽ ̄;)

60代前半  東京都

2016/08/28 22:40

45.  >>44 ゆちゃさん

僕が年に50回ほど行く埼玉県のその町(少し前まで村)は、

町に信用金庫が一軒だけ、JRの無人駅が一つ、ファミレスはゼロ、コインパークもゼロ。

至る所にトトロの森がある夢のような田舎町です。

もうすぐ稲刈りですね。お茶菓子持って僕も伺いたいですよ。

40代後半  長野県

2016/08/28 21:20

44. こんばんわ♪
めっちゃ鮮やかで綺麗な色~
自分でそこまでやったら可愛くて仕方ないねー
家はめっちゃ田舎だから 田んぼとか林とかいそうだけど…
気にして見たことない!
稲刈りの時 探してみよ~
お茶とお昼係なので~笑

60代前半  東京都

2016/08/28 20:44

43.  >>42 はぅはぅのゲスい品行方正で普通の早川ミステリ山ジュンたんさん

今年、カマドウマの新種が発見されたけれど、殆ど注目されなかった。

あの艶やかな丸い背中と、暗がり生活が人の価値観に合わないんだろなぁ。

2016/08/28 17:56

42.  >>19 ツブネコ[芽]さん
不思議なもんですよねw

カマドウマって羽根が無いだけでなんでキモいんですかね?

通称の便所コオロギって名前がいけないのかな。

60代前半  東京都

2016/08/28 17:44

41.  >>40 Soraさん

確かにね。道端じゃエンマコオロギ、蝉はツクツクボウシだね。

例の事件があったのは、一つ下流の橋だよ。まあ昼間でもひと気のないところだからね。

人間のいざこざ‥僕には迷惑なだけな話だよ。

…━…━…━…

無料会員登録はコチラ

…━…━…━…