海~あの夏を忘れない~
20代前半  和歌山県
2010/09/07 6:41
海~あの夏を忘れない~
まず、登場人物をしよう。冒険好きの俺、かなりの冒険好き命知らずの馬鹿野郎T、マイペースなK。



この仲良し三人組で高2ぐらいの時に白浜に旅行に行った。



そして、白浜には鳴き砂といってそれはもぅ砂浜が綺麗すぎてキュッと鳴くという噂を耳にしていた。 俺達には魅力的で今回の旅行のメインといっても過言ではなかった。



そして、地元に海岸があるか地元の人に聞いて最高のテンションで浜辺に到着した。



人っこ一人いないそのビーチは俺達の貸し切り状態だった。



もう空をも切り裂くが如くのテンションで浜辺に行ったら、落ちていたゴミに足の裏を切り裂かれそうになった。



鳴き砂でもなんでもないただのきったない砂浜だったがテンションは冷める事はなかった。



そして俺とTはテンションに任せてどこまで泳げるかという、ポールも何も浮かんでいない海に挑戦する事にした。



Kは浜辺で日焼けを楽しむという事でTと俺で泳ぎはじめた。



中学の時の話をしながらスイスイ泳いだ。



そして、しばらくして後ろを見た。…Kがソラマメサイズになるくらい遠くまで来てしまった。



あまりの距離に焦って俺達は叫んだ、「助けてくれー!」



聞こえる訳がなく俺達は自力で帰る事に決めた。



平泳ぎでまた喋りながら帰ったが、引き潮で全然進まない。



そこで、Tが「クロールで真剣に帰るぞ!」とマジ顔で言ったので俺は静かにうなづいた。



そして、またしばらくバシャバシャした後お互い全然進まないので、俺は平泳ぎにして話かけた。



「俺達クロール苦手じゃなかった?」



その俺の一言でTは静かにうなづいた。



もうなくなりかけの体力とむしろさっきより離れた気すらする距離。



追い詰められた俺達はなりふり構わずに得意なスタイルで行く事にした。



俺は、溺死寸前にも優雅に一番得意な背泳ぎで浜辺を目指した。



Tはどうしてるだろうと思って横を見た。



……その光景を見た瞬間俺は目を疑った。本格的な二度見をした。



なんと、この少しでも地上にいたい状況下で彼は、潜水をしていた!



Tの一番得意泳ぎは、潜水だったのだ!



なんとかかんとか浜辺に帰れた俺とTだが、その時から俺の中でのTは『人間ではないなにか』という存在になったのは言うまではない。
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