メールやラインはとても便利だ。
例えば出掛けに受信しても、その場で立ち止まらずに、電車に乗ってから落ち着いて読める。だから受けた側も送った側も気楽だ。
また、文章だけでも相当親密な関係になれるものだ。１度も会ったことが無い男女でも、メールのやり取りだけで恋愛関係になれる。平安時代の恋文も？そう考えると、メールからの恋愛とは、なんと雅やかで高尚な恋であろう。
しかし、どれほど心を込めて書いたメールであっても、そこには大きな落とし穴が潜む。(ましてや文章の達人同士なんて滅多に無い)何故なら、書き手の主観と読み手の主観とは、違うものだから。その結果誤解が生じ、誤解に基づいた返事に反応した相手方は、更に誤解を抱く。そうして各々が知らずに異なる誤解を抱えてしまう。その結果、結構な行き違いをまねくのだ。そのうえ誤解は、恋愛当事者には不安を招く。不安は様々な憶測、巨大な妄想に変化する。妄想は相手の一言、二言の些細な言葉で敏感に反応し…。その結果はご想像の通り。時に文字による言い合いとなる。これが幾度となく繰り返され、互いに疲弊してしまう。
仮に某(なにがし)かの誤解が生じても、顔と顔を合わせて話せば、ボディランゲージも加わり、大方のものは解消するであろう。でも遠距離や時間やその他様々な要素により、会うことも電話で話すことも出来なければ、成就(じょうじゅ)する恋も萎(しな)びてしまう。これをご縁が無かったと片付けるには余りにも切ない。
いまの時代、遠隔地の者同士がメールによってタイムリーにやり取りが出来て便利ではあるが。置かれた現状にかまけてメールに頼りすぎると、とんだツケが回ってくるのではないだろうか。
近頃感じてしまったことに基づいたはなし(-。-;)