耳鼻咽喉科で…

外国人カップルが来た
二十歳前後の美男美女
美女は警戒心強く、誰とも視線を合わせず
表情硬い、日本語は分からない様子
好青年は片言の日本語が話せる

窓口で保険証出した
留学生の保険証あること
初めて知った

中待合室で青年と並んだ
ﾎｪｱ ｶﾑ ﾌﾛｰﾑ？
青年は ウクライナと答えた

ｼﾞｬﾊﾟﾆｰｽﾞ…ﾍﾞﾘ ｩｪﾙ！
青年は少し考えてから
ﾍﾀ… と謙遜した

ﾊｳﾛﾝｸﾞ ｽﾀﾃﾞｨ ｼﾞｬﾊﾟﾆｰｽﾞ？
青年は
ｻﾝｶﾞﾂ と答えた
3,4,5,6,7,8,9,10月？
ｵｰ！ ｻﾝｶｹﾞﾂ ﾃﾞｽ と訂正した
３ヶ月で難しい日本語をこんなに使える？
優秀で一生懸命なのだろう
ﾍﾞﾘ ﾊｰﾄﾞ！ｸﾞﾂﾄﾞ ｼﾞｮﾌﾞ！
と返すと
ﾆﾎﾝｺﾞｶﾞｯｺｳ ﾃﾞｽと青年
ｶﾉｼﾞｮと◯◯ｴｷﾉ ﾁｶｸﾆ ｽﾝﾃﾞﾏｽ
待ち時間が割りとあったので楽しく交流した

青年が先に呼ばれた
地域で評判の良い先生
いつも混んでて
でもテキパキと患者をさばく
決して雑でなく
患者の質問にはキチンと答える
動きに無駄のない先生
頭の回転が速い！

まさかの…
英語…
得意でないらしい
普段忙しくて
英語を使うこともないのだろう
医師として素晴らしいのに
言葉が通じない…

どうも青年は風邪で熱が高いらしい
真面目で学校に行く許可証を求めてる様子
書類名が医師も青年も単語が分からない！
ようやくメモ用紙で済ませることになった
が
処方薬で…
先生は薬のアレルギーを確認してるが…
先生、クスリ、アレルギー？
を繰り返す
通じない…
アレルギーは日本語
エネルギーはｴﾅｼﾞｰと発音するから
アレルギーはｱﾚｼﾞｰか？
自信が無くて言い出せなかった
だんだん青年は無口になった
薬は受け取らず
戻って来るとき
険しい表情で首を左右に降りながら
不機嫌に戻って来た

私の電話番号と名前及び
ｲﾌ ﾕｰ ﾆｰﾄﾞ ﾍﾙﾌﾟ、ﾌﾟﾘｰｽﾞ ｺｰﾙ ﾐｰ
ｱｲﾄﾞ ﾗｲｸ ﾄｩｰ ﾍﾙﾌﾟ ﾕｰ。
を書いたメモを手渡した。
今考えると
ｲﾌでなくｩｴﾝだった…
その程度の英語力…

先ほどの朗らかな表情は消えた
電話が掛かって来ることも無いだろう…