青空の価値
70代以上  山口県
2023/01/15 20:03
青空の価値


最近は時間的には余裕がありよく昼下がりに空を見上げている。

暁や黄昏時も好きなんだが、やっぱり昔から好きなのは青空。

何だろう?

綺麗っていうのもあるんだが、開放感?自由だったり、無限だったり、そういったものを感じられるからかもしれない。


ここのところ、曇りがちな天気が続いていて残念ではある。


今の仕事について早20年。

遣り甲斐を感じる時っていうのは、実績を出した時もだが、1番嬉しいのは誰かの役に立てたり、皆で1つの物事を完成させたり、部下の成長を目の当たりにしたり。


ただ…逆に残念なのは


先日の事、著しく数値を落としている部署のフォローに入った訳なんだが、

その部署の責任者? 担当者が元気がない。
やる気も無いし、評判も悪く、部下が従わない。
部下の面倒をまるで見てやらない。。


その担当者。
何処かで …見た事がある。


思い出した!

13年前に私の部下だった男だ。


愕然とした。。


全ての能力? 人間力って言うかな…?

全く変わっていなかった。

全く あの時のままだった。


此奴… いままで 何をしていたんだ!?
家族とちゃんと生活できているのか…?
誰が此奴の面倒を見ているんだ…



どうしてしまったんだ

直ぐにあの時のように めっちゃ怒った。
彼奴は 目が覚めた顔してた。
彼奴、俺の事 最初から気づいてたのに気がつかないふりしてた。



それから 2人で 話をした。 

青空の下。


彼奴も 色々あったらしい。
子供が生まれ 離婚して
交通事故にもあって空白の数年があって。漸く管理職になったものの、変わりゆく現場に対応できなくて。


たくさん話しを聞いた。彼奴ばかり喋ってた。



私は 彼奴に腹が立った。

でも本当は 
彼奴の中に見えた自分に腹が立ったんだよ。

俺は彼奴の事を 何もわかってなかったし わかろうともしていなかったんだって。それどころか いつしか 彼奴の事を忘れていて… 恥ずかしかった。


駄目だったのは俺じゃないか


そこからは 仕事の話はせずに 昔の話しをずっとした。

昔はよく一緒に行った釣りの話し。岸辺から50㎝の真鯛を釣ったとか、そもそものバイクの交通事故は雨宿りさんに憧れてバイクに乗り出したからだとか、当時の私の彼女の話しとか。



そして 夕方。

別れ際に がんばれよっ と。



ただ それだけだった。



レイリー散乱って言葉がある。要は光りの屈折の話しで、光りっていうのは波長によって色が違う訳なんだが、空気中の小さなチリなんかにぶつかると向きが変わる。

で、空から降り注ぐ光りの中でも、赤色はさほどぶつからないんだが、青色が良くぶつかる。空の上の方で散らばっちゃって。だから皆さんが見るような青い色の空になる訳だ。


まぁ、空が青いのは偶然だったり、光りの波長の長短による結果な訳なんだが、私は、それはそれで良いと思うし、例え偶然だったとしても青空が好きだ。


俺の言葉。彼奴はやさしいから合わせただけで、そうは思わないかもしれない。

俺の声なんか 届かないかもしれない。


ただ彼奴はいままで散々屈折してきたし、不運積み重ねた人生に 突破口 できるといいな。


互いに 俺達は これから
どんな道を辿っていくか わかんないけど




これだけは 分かってるよな。




青い光りに満ちた空は どんな色よりも美しいって事。

ぶつかってきた 多くの障害。

そのせいで遠ざかった 進むべき道。









いかなる由来があろうとも


青空の価値は


決して揺るがない。


















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