「出動できません」
夜の、出先の駐車場でのことです
ミャウミャウと、何かの鳴き声が聞こえます
駐車場を見回しました
車の下も見ました
何もいません
空耳?
車にワンコを乗せている時に、また聞こえました
ミャウ…
あれ?やっぱり、何かいるよね…
ワンコの首輪をシートに固定して、助手席のドアを閉めました
どこから聞こえるのかな
しばらく待つと、また聞こえました
ミャウ~、ミャウ…
足元の側溝からでした
あぁ…
この声は、猫…
私には、とてつもなく苦手な生き物です
でも、聞かなかったことにはできません
携帯のライトで、側溝の中をを照らしてみました
姿は見えません
ミャウ…
だんだん、声が小さくなりました
しばらく考えて、警察署に電話して事情を話しました
「側溝のフタが重くて、私には持ち上げられないんです」
消防署に言う方がいいのか問いました
優しい声が、辛そうに言いました
「警察も消防も、出動できません。あなたの飼っている生き物なら救助に行きますが、野生の生き物には手が出せません」
「今夜は降るでしょ?そしたら流されて、下水管に落ちてしまうかもしれないでしょ?そしたら、かわいそうなことになりませんか?」
「お気持ちはわかりますが、それが野生の生き物ってことなんです」
しんみりと言われました
なんて酷い…
「近くに親猫がいたら、咥えて出すかもしれませんよ」
期待を込めた声でした
早めにその場を立ち去る方が、子猫が助かる可能性があるかもしれないってことなのでしょう
「わかりました」
残念だけど、私にはそれしかできません
車に戻って助手席の犬を見ると、大変なことになっていました
キャンキャン鳴きながら、回り続けています
後足に、リードが巻き付いています
大急ぎで車を降りて助手席のドアを開けて、巻き付いたリードを外そうとしました
テンパった犬はキャンキャン鳴きながら、差し出した私の両手をガブガブッと咬みました
「痛いから、咬まないでよ~」
「キャワワワワン!」
ガブガブッ
「痛いことするって言いたいんでしょ?しないから、ちょっと触らせてね」
「キャンキャン!キャワワン!」
ガブガブ、ガブッ
何度も咬まれながら足のリードを外して、なんとか車の外に出せました
落ち着かせて、また車に乗せました
「早くここを出ないと、猫ちゃんに迷惑なのよ」
歯を立てて咬まなかったので血が出ることもなく、咬まれた所が赤くなっただけですみました
うちのワンコのぐるぐる巻き作戦は、子猫より自分を気に掛けて欲しい、アピールだったのかもしれません
コメント
2017/06/29 22:08
5. >>4 ゆめさん
確かにそうですね。 結果何にも出来なかったかもしれないけど‥思いやる心は大事だと思いますね~
返コメ
2017/06/29 13:40
4. >>3 ノンさん
こんにちは
鳥肌が立ちますけど、苦手とか言ってられませんでした
放っておけないでしょう…
どうにもできないって、せんないですねぇ
昨日から、車に放置すると『グルグルする子』に、なっちゃいました笑
返コメ
2017/06/29 13:04
3. ゆめさん優しいね~ 確かに嫉妬した可能性はある〓
返コメ
2017/06/29 12:40
2. >>1 トシさん
こんにちは
夜は、市役所は閉まっていませんか?
都会は、深夜も開いてるのかしら…
返コメ
2017/06/29 12:24
1. 優しい気持ちですね、そんな時こそ、市役所に、電話すれば、良いですよ
返コメ