サイテーな父
月曜の22時
神妙な面持ちの居候君が、申し訳なさそうに言います
「アパートに引っ越しできるのが、8月半ばくらいになるって連絡がありました。親が『家に入れるのは無理だからこのままここに置いてもらえ』って言います。アパートの部屋が空いて引っ越すまで、ここに置いてください」
それ、親が頼んでくることじゃない?
毎回毎回、ズルズル延長するけど、どうして親が来ないの?
居候君に文句を言っても、常識のない親なのだから仕方ありません
親に、連絡を取らせました
火曜の10時に事情の説明に来るように言いますが、「今から行きます」と言い張って譲りません
『非常識』より、たちの悪い『無常識』です
「私の言うことに従うなら、今夜来ることを許しましょう」と言ってみました
「はい」と、即答されました
「わかりました。23時55分にお越しください」
「わかりました。行きます」
0時5分前になっても、来ません
56分、57分…来ません
58分に、チャイムが鳴りました
頭に来たので、ドアは開けません
「先ずは、3分遅刻の理由から聴きましょうか!」
「申し訳ありません」しか、言いません
「あなたはこの子の、何ですか?」と、聞いてみました
無言
私も黙って待ちました
30分待ちました
相手の言い分を聞かないと、できない話もあります
でも、もう限界!
ドアに映る人影に向かって叫びました
「この、バカ父がぁ!」