熱くなる
「とける~」
滴る汗を拭いながら、午前中に家事を済ませました
外気温34度
早すぎるくらい早めに帰宅した夫と、簡単なお昼ご飯を済ませてから、電車で中庄駅へ向かいます
目的地は、倉敷マスカットスタジアム
たくさんの人混みの中を、とことこと歩きます
阪神中日戦です
入場する前に出店に並んで買ったのは、『千屋牛焼きそば』2人分
夫には、『手羽唐揚げ』と『生ビール』
私には、『鳥の唐揚げ』と『チューハイ』
試合開始前に、小さく乾杯します
「楽しみましょ!」
半熟月見がトッピングの、牛肉の味付けがおいしい焼きそばでした
「おいしい!当たりだったわね~」
1回表にゲレーロのタイムリーで、1点先制されました
「何してるのよ~!本気だして捕りなさいよ~!」
夫が隣で笑います
ひょっと思いだして、聞いてみました
「藤川は、どうしてるの?」
「今日は、出ないよ」
「ふぅん…」
私は、野球に詳しくありません
2回裏に、ピッチャーが投げたあと、打者が1塁に向かって歩きだしました
「何があったの?」
「ボーク」
「ふぅん」
ボークって言葉は知っていますが、どうなったらボークになるのかが、よくわかりません
数分後にまた、また周りのおじさま達がわぁわぁします
見ると、また1塁に向かって歩いています。
3塁にいた中谷が、歩いてホームベースを踏みました
同点です
「何があったの?」
「ボーク!」
「またぁ?」
「効率のえぇ、点の取り方じゃ」
「ほんとね~」
ヒット1本で、1点入っちゃった
毎回の攻撃の時に、外野スタンドの応援団に合わせて、手拍子を打ちながら声を張り上げます
「かっ飛ばせ~!う~えもと!」
3回裏に、後ろや横にファウルで粘った上本が、勝ち越しホームランを打ちました
おぉ~!
みんなが立ち上がって、お隣とハイタッチ!
続けて糸井がヒットを打ちました
福留がホームランを打って、2点追加しました
得点するたびに、応援団が六甲おろしを歌います
4回の攻撃の時に、セカンドベースの手前で選手が滑って、バランスを崩したように見えました
「転びそうになってた…」
「スライディング!」
「そうなん…」
そんなにイラッとしなくても…
この回、1点追加しました
打線が繋がって、5回はタイムリーヒット連発でした
やっと大和も打ちました
「やったぁ!」
「次は送りバント」
夫が言います
「その次は、メッセンジャーなのに?」
「いいの!」
ほんとに送りバントでした
「やだ、ほんとにバントしたし…」
とりあえず、ピッチャーに叫んでみます
「メッセンジャー!打つとこ、見せてぇ~!」
カキーン!
タイムリーツーベース
お見事です!
次の、鳥谷選手に叫びます
「メッセンジャーを返して、休ませてあげて~!」
鳥谷はダメでしたが、上本がタイムリーヒットを打ちました
ピッチャーがホームベースを踏んで、追加点
この回は5点入って、長いイニングでした
中日の鈴木投手が、少しかわいそうになりました
私は毎回、キャーキャー言いっぱなしです
5回が終わって、打ち上げ花火が620発
みんなが見上げる大輪の花火の下では、スタッフが土を均したり白線やベースをきれいにしたり…
お疲れさまです
6回が始まって、夫があたふたしています
「さっき聞いてたピッチャー!誰だっけ?」
「藤川?」
「それ!下にいるよ」
見ると、藤川やマテオやドリスや岩崎が、投球練習場と球場のネットの間から、何か話しながらこちらを見ていました
「来年は、おらんかもしれん…」
夫が、投げているメッセンジャーや、背中を向けているマテオの写メを撮ります
「もう、帰ろうか?」
「やだ、まだ帰んない」
7回裏にキンキン鳴らして風船を飛ばして、8回の攻撃の始まる頃、私に限界がきました
「虫がいっぱい飛んでるのが、腕にとまるから帰りたいの」
混む前に電車に乗りたい夫が、嬉しそうに立ち上がりました
「楽しかったぁ!」
自販機でジュースを買ってもらって、観戦帰りの乗客で混んだ電車に乗りました