行ってらっしゃい
60代前半  山口県
2017/07/24 12:29
行ってらっしゃい
毎朝7時前にお部屋を出て、私のお部屋の前を通りながら、「行ってきます」とボソッと呟く居候君でした

「行ってらっしゃい」と言えるように、起きるようにしていました

時々、7時半くらいにバタバタと、挨拶もなく階段を駆け下りていく日がありました

…寝過ごしたね

「行ってらっしゃい」は、慌ただしく走る音で消されて届きません


「独り暮らしと同じように生活してください」と、居候君との生活が始まった時に言いました

起きること
食べること
くつろぐこと

出ていきたくなくなると困るので、家族的な関わりは控えました

それぞれのお部屋で、それぞれの生活をしました


居候君は、ヒマさえあれば昼寝をして、夜は夜でまた爆睡できる子でした

どんなに「昼間は起きて、身体を動かしなさい」と言っても、だらだらと寝て過ごしました

「お掃除を手伝ってくれると、助かるんだけど~!」
呼んでも起きない子でした

彼が自分の主義を通すならと、彼の生活習慣について、私は何も言わないことにしました


そんな居候君の就職が決まって、毎朝6時起きになりました

都合のいい時だけ私を使おうとしても、私は動きません

「毎朝起こしてもらえると思ったら、甘えが出て自分で起きなくなります。自分で起きなさい」

やり続けないことは、突然できるようにはなりません

起こしたくても我慢して、「行ってらっしゃい」を言うだけにしていました


ちゃんと起きたかな?

今朝はもういないのだから、私は起きなくていいのに…

今日も、気になって目が覚めました
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