忘却の彼方
最近特に、物忘れの激しいったら、全くもう!です
…最悪
「後で」と思ったら、記憶から消えます
「これを済ませたら」と思ったら、違うことをし始めて、結局は手付かずで忘れ去ります
そして、少しの時間でも、うたた寝から爆睡モードに移行します
私のことでは、ありません
昨年の11月、うちにお引っ越ししてくる元居候君に、段ボールを貸しました
道路に寝転んで夜空を見上げたり、車のトランクルームを汚したくない時に敷いたりする時に使う、大切な段ボールでした
ファンヒーターがスッポリ入るくらいの、かなり大きい段ボールを、4枚貸しました
お引っ越しが済んだら、必ず返す約束をしました
先月23日に元居候君が出ていって、もう10日以上が経ちました
返してほしくて電話をしました
「さすがに、もう段ボールは空いたでしょう?12日に流星群を見たいから、返してください」
「あ!すみません!ファブリーズを溢したので、捨てました」
「ふぅん…。あの段ボールは、うちに来てから4つとも手付かずで、ずっと開けずに置いてましたよね?その箱の中に、それぞれファブリーズを入れてから運び出したら、こぼれて汚れたって言うんですか?」
また、つじつまの合わないことを言い出したので、イラッとして機関銃とように捲し立てました
「いえ、すいません。借りてることを忘れて、全部捨てました」
「相変わらず、その場凌ぎのすぐバレるウソを言いますね。最初から、正直に言いなさい!」
「ごめんなさい」
この話を、遊びに来た女の子の言いました
「え?引っ越しの手伝いに行ったけど、『ファブリーズがこぼれて汚れた』とか、言いよらんかったよ?汚れたら手に付くけぇ、言うじゃろ?」
「完全に、忘れてたのね…」
「『これ、要らんけぇ捨てて』って言われて、M男と2人で抱えて、車で捨てに行ったけぇね」
「サイテー…」
「正直に、謝ればいいそに…」
日曜に、元居候君が、大きな段ボールを4枚持ってきました
「大きくて、良いでしょう?」
「自画自賛?」
「はい!」
「あちこち切れてるから、パタパタ広がって持ちにくいし…。使うのにも持つのにも、ちょうどいい大きさのを貸したのに…。大きければ、いいってもんじゃないのよ」
「すみません…」
「貸す時にあれだけ言ったのに、どうして借りてるってことを、忘れるかなぁ!」
「すみません」
『立つ鳥跡を濁さず』は、ない人でした