縁もゆかりもないのに我が家に転がり込んで、８か月間ほど暮らした居候が、おばあ様の暮らすお家に、お盆に泊まり掛けで遊びに行きました
　

元居候は、帰る前からウソばかりを並べ立てましたが、お世話をしてきたこちらの礼儀として、おばあ様への手土産にと、ご仏前にお供えできるような和菓子を言付けました

見事な２枚舌でした
（もしかしたら、もっと多いかもしれませんが…）

おばあ様には、「車でゆっくり走って帰る」
私には、「新幹線のチケットを買いました」

おばあ様には「車のオイル漏れの修理をしたから、高速道路を走っても大丈夫」
私には「お金がなくて、車の修理はしていません」

腹が立ったのは、同級生を巻き込んだウソを言ったことでした

おばあ様には「同級生の男子も、大阪に車で遊びに行くんだから、俺も車で帰る」
その同級生に確かめると、「はぁ？行かねぇし！」

たった３日のお盆休みの、片道８時間を運転に使うくらいなら、彼女や近場のお友達と楽しむ時間に使うと、同級生男子が言いました

元居候は、運転免許を取って半年です
同級生男子は、１年数か月です
経験値が、比較になりません

自分が長距離ドライブをするために、同級生をだしにしたのです


別に、どういう手段で移動しようと、私には関わりがないので勝手です

ただ、免許を取って初めての高速道路が、お盆の混雑の真っ只中では、周りの車に迷惑でしょう
と、私は思いました


昨日の夕方、おばあ様が嬉しそうな声で電話をしてきました

「12日の午前３時前に帰ってきました。寝てばかりいましたが、先ほどそちらに向かって出ましたから、あと６時間くらいで着くと思います」

私が言付けた和菓子が届いているのか、確かめようと思った矢先に、弾んだ声でおばあ様が言いました

「和菓子の詰め合わせを、ご仏前に持ってきてくれましたんや」

気の効く孫だと言いたいのでしょう


嘘つき野郎は、私が言付けた和菓子を自分が買ったように装ったようです