木曜の夜に、「内見会があるので、お越しいただけませんか？」と、担当営業からお誘いがありました

「行ってもいいけど…。今まで車を買う時に、展示車を見たり、試乗したりしたことがないんですけど…」

「え？」
うちの子どもと同じ歳の営業さんが、言葉に詰まりました

「今までずっと、カタログの写真で内装やメーター類を見て、裏表紙に書いてある仕様書を見て、カタログで色を選んで買ってきましたから…」

「はぁ…」

「私が選んだグレードが、展示されてるんじゃないでしょう？」

「…はい」

「行っても意味ないんだけど…。あなたの顔を立てるために行きましょうね」

「ありがとうございます！」

「もう、カタログは届きました？」

「いいえ、まだです」

「相変わらず、やることがノンビリなメーカーねぇ」


必要に迫られて、「これでいいかな」と選んだ車です

どうしても乗りたい形でもなく、気持ちが弾んできません


昨日の午前中に、車を見に行きました

「運転席に座ってみてください！」

「外観を見たから、もういいわよ」

それで終わりにできない営業さんは、全部のドアを開けて、中を見やすくしてくれました

リアに立っていたので、後部座席を前にスライドさせて、その下の工具を見せてくれました

「スペアタイヤはありませんが、代わりにパンク修理の道具が入っています」

「ほんとね～。軽量化？」

「でしょうね」

「ほんとは、経費節減でしょ？」

「さぁ…」

「パンク修理セットは使ってみたいけど、使ったら終わっちゃうし。パンクしたら、サービススタッフかＪＡＦを呼ぶわ」

「それがいいです」
リアが閉まりました

「あ！ご注文のお車は、全部の予約の0.3%でした。あまりに少ないので、びっくりしました」

私が、「オーダーを急がないと、生産に取り掛かってもらえない」と、注文を急いだことを思い出したようです

「だから、受注生産って言ったでしょ？」

「ほんとですね～！」
営業さんが感心しています


運転席に戻ると、いろいろなマークのスイッチがあります

「衝突回避のオンオフスイッチは、何のためにあるか知ってる？」と、聞いてみました

「いいえ？どうして付いてるんですか？」

「不必要な場面を、想像してみてね」

サービススタッフじゃないと、想像はムリかしら…？

自分で考えずに答えを聞いて解決してしまうと、記憶に残りにくいのですぐに忘れます

まだまだ若い営業さんは、自分から学ぼうとしないので、考えさせることで学ばせようと教育中です


「車と用品のカタログが届いたら、連絡してね」

車の性能を数値で見たいのですが、もったいを付けるメーカーです

カタログが届いたら、その１か月後に車が届きます