水難の相あり
お昼ご飯の準備をしていた時のことです
1人用おでんの入ったパックを、手で開けようとして失敗しました
ボタボタッ
タラタラとこぼれたお出汁が、スカートに染み込みました
「あ~!」
床に落ちただし汁を、雑巾で拭き取りました
具材は落ちなかったので、残りのお出汁と一緒にお椀に入れました
お茶を入れたマグカップや他のおかずを、テーブルに運びました
おでんのお椀をテーブルに置こうとした時に、カタンッ
あと数センチのところで、落としてしまいました
「あぁっ!」
傾いたお椀から、お出汁がテーブルに広がります
「たいへん!」
お椀を起こして、広がるお出汁にティッシュペーパーを乗せようと手を出すと、指先がマグカップに当たって、今度はお茶をこぼしました
「あ~!!」
テーブルの上をお出汁とお茶の混ざった液体が広がって、テーブルの縁から床にポタポタと滴り始めました
「雑巾~!!」
誰に言うともなく、叫んでいました…
あたふたと台拭きと雑巾とを取って、テーブルには台拭きを乗せて、床に広がるだし汁茶に雑巾を置きます
テーブルに乗っているリモコンも携帯も、ティッシュペーパーの裏も拭いて、縁から落ちるの水滴も拭き取りました
床を雑巾で拭いて、やっと終了
「今日は水難の相があるらしい…」
気持ちが立て直せないまま、お昼ご飯を食べました
午後から、お友達が小さな女の子を連れて話にきたので、その話をしながら飲み物を作りました
3歳の女の子には、持ち手の付いたプラスチックカップに、カルピスを入れました
出そうとして、お菓子を乗せ忘れたことに気づきました
振り返って取ろうとしたら、カルピスのカップが落ちました
カタンッ、コロコロ…
床にカルピスが広がります
「あ~!またやった!!」
雑巾が大活躍の日です
見ていたお友達が、しみじみと言いました
「水難の相ねぇ」
昔の携帯のメアドに使っていた「What a day!(なんて日でしょう)」という言葉を思い出しました
嬉しいことが起こった時に、使いたい言葉ですけど…
たった3時間ほどの間に、3回も雑巾で床を拭くなんて、今まで経験したことがありません
「これで、終わり!」と、『水難の相』終了宣言をしてみました
それから寝るまでの間、雑巾の出番はありませんでした