スパイがいる
うちに遊びに来ているハタチになる女の子が、1年以上、私達家族をスパイしていたことが発覚しました
家出した下の子と会って、私達家族や家に出入りする人達の言動を、下の子に筒抜けに喋っていたのです
それを教えてくれたのは、下の子と親しい友人でした
下の子が放ったスパイからの情報を、私と出会った時に確かめてきました
かなり驚きましたが、そつなく相手をして別れました
一人になって、先ず驚きの感情が湧きあがります
「まさか、あの子が?」
でも、愉快犯的にやりかねない子なので、なぜか納得しました
次に、落胆の感情に振り回されます
「スパイに、情ご飯を食べさせていたなんて…」
気分が落ち込む一方でした
そして次に、怒りの感情がコントロールできません
「潰す!」
しばらく、そう言って息巻いていました
やっと、感情の波が収まりました
「でも、それでは大人げない…」
落ち着け、私!
「スパイだったことを、彼女自身に認めさせて謝罪させよう」
上の子と作戦を練りました
次はこっちのターン!
情報を抜かれてばかりでは、面白くありません
スパイ女子は、出来事や言い回しを正確に記憶できない、IQの低い子です
スパイの頭の悪さを逆手にとって、上の子と相談しながら、フェイクニュースを流し続けることにしました
『スパイ翻弄作戦』開始です
話を聞いた下の子が、必ず関係者に話したくなるネタを、次々と繰り出しました
20%の本当に80%のウソを散りばめて、スパイに伝えます
ネタを聞いた人から確認できたら、本当にスパイかどうか、はっきりします
こうなったら、楽しまなければ!
ゆっくりとあぶり出します
まだ日が浅いので、どう伝わったか確かめられません
年明けには、下の子どもとお年始で会った人に、私達家族も接触できます
気の長い作戦です
私に似て、上の子も飽きっぽい性格です
立春を迎えるころには、決着をつけようと思っています