夜８時過ぎのスーパーマーケット
　
買い忘れの物をカゴに入れたついでに、お魚売り場からお肉コーナーを回って、お惣菜売り場を見ていた時のことです

ここには時々、手作りの大福餅が並びます

「今日はないなぁ」と思って、離れようとした時です

「最近は半額になるのが遅いねぇ」
白髪を無操作に束ねた、身なりに無頓着な年配の女性に、横から話しかけられました

「そうですね」
相槌をうって離れようとすると、続けて話しかけられました

「他のスーパーは７時半には半額になるのに、ここは９時半なんよ」

「それはスーパーの決め事ですから、なんとも…」
１歩、横に離れました

「１時間ごとに、２割引、３割引って下げていけばいいのにねぇ」

無茶を言いながら、距離を縮めてきます

「シールが重なって、見苦しいですね」

「パパッと貼るだけのことじゃあね」

あぁ、なんて鬱陶しい人だ…

「そうかもしれませんけど…」と言いかけた時に、知りあいの家族を見つけました

「あら！こんばんは～」
手を上げて挨拶しながら、横の女性から離れました

「知り合い？」
なんだか、咎めるような目付きです

「うぅん！全然知らない人に、知り合いみたいに話しかけられたの」

「ずっと前に買い物してた時に、抱っこバンドで子どもを前に抱いてたら、あのおばさんに『電車に乗る時に、子どもを押し潰す気かね！』って、大きい声で言われたんよ」

「どういうこと？」

「知らんけど！『ここは駅じゃありません！』て、言うて逃げたんよ。誰にでも話しかけるけど、嫌われてるおばさんなんよ」

「やっぱり、そうなるよね」

「気を付けんと！知り合いと思われたら、周りから嫌われるよ」

「うぅわ！やだ！」

二人で笑いました

身だしなみに気を付けて、自分の意見を押し付けないようにして、嫌われるお年寄りにならないように気を付けます