なかなか子宝に恵まれなかった40歳過ぎの女性が、昨日のお昼に話しに来ました
　
「生理が止まった時は、更年期のせいだと思ったんです。『子どもは諦めなくちゃ』と思ったら、自然妊娠してました」
笑いながら報告してくれます

「よかったねぇ」

出産後の託児の段取りをしないと、産休と育休が終わっても復職できません

彼女の母親は、新生児の預りを渋っているようです


職場の上司から、マタハラにあっていると愚痴ります

妊娠を理由に辞めさせて、若い女性を雇いたいのです

「子供が産める人は３人」等と出産を軽く言う国会議員に、ぜひとも聞いて欲しい話が次々と出てきます

「意識改革が必要よね」と言うと、「出産しても働き続けられる環境は、ぜんぜん整っていません！」と、笑いながら言います


ノンカフェイン・ノンアルコール・ノンストレスを求められるのは、妊娠中だけではありません

母乳を与え続ける間も、カフェインやアルコールは摂れません

好きなコーヒーが飲めないストレスのある生活と、気絶したくなるほどの痛みの出産と、熟睡できない子育て生活を強いられる彼女を、「楽しんでね～」と送り出しました


日付けが変わる直前に、九州に住む友人から電話がありました

「お母さんが倒れて、救急病院に運ばれたって。今夜がヤマだって言われても、もう電車がないから明日帰ることにする」

彼女の実家は、うちから数分の所です

「銀行に行かんとお金がないから、９時過ぎの電車に乗る」

「なに言ってるの？貸してあげるから、早く帰っておいで！」

「親戚の立て替え分を入れたら、30万は要るよ？」

香典の金額を考えているようです

「まだ生きてるでしょ！落ち着いたら返すのでいいから、早く帰っておいでよ！ダメって決めずに、帰っておいでよ。間に合うかもしれないじゃん！」

「わかった。そうする。ありがとう」

駅まで迎えに行って、病院に送る約束をしました

明日の早朝の電車に乗るように念を押して、電話を切りました

（生と死の話が、同じ日にくるなんて…）
そう思いながら、床につきました


約束の時間に、彼女を駅に迎えに行きました

「まだ電話がこないから、間に合うと思う」

お母さんは、彼女を心待ちにしているようです