「ごぼうのポテトチップスを貰って食べたんだけど、すごく美味しかったよ」と、ゴルフから帰ってきた夫が言います

「ごぼうの味なら、ごぼうチップスじゃなくて？」
意味がわからなくて、聞き返しました

「違うよ！ごぼうの味の、ポテトチップス！」

「あ！」

思い当たるのは、『チキンチキンごぼう』です

女子高生がカルビーと協力して、学校給食のメニューの味を再現したと、数日前に山口新聞で読みましたし、スーパーのお菓子売り場山積みになっているのを見ました

「明日、買いに行きます」

「おぉ！やった！」

嬉しそうでした


翌日、アルクに買いに行って驚きました

お菓子売り場に、そのポテチだけがありません…

「そんな、バカな…」

お菓子売り場をグルッと１周しました

香川県の『しっぽくうどん』も岡山県の『エビ飯』もあるのに、チキンチキンごぼうだけがありません

「売り切れてる！」


気を取り直して、別のアルクにも行ってみましたが、やはりそれだけが見当たりません

（サンマートに行ってダメなら、丸久に行こうかな？）

そう思いながら、サンマートのお菓子売り場に行きました

「あった！」

買い物かごに、10袋入れました

これくらいあれば、いいでしょ！


お婿さんと孫がお菓子好きなので、娘の所に３袋持って行きました

「『作って』って言われるけど、食べたことないけぇ、作れんよね」
受け取りながら、娘が笑います

「何ですか？」
ほわんとした顔で、お婿さんが娘から受け取った袋を見ます

「学校給食で大人気の、『チキンチキンごぼう』の味のポテトチップスよ」

「ほぉ…？」

「まぁ、話のタネにどうぞ！」

「ありがとうございます」

お風呂上がりの孫が、頭を拭きながらお玄関に顔を出しました

「わ！チキンチキンごぼう！」

嬉しそうでした


帰宅した夫に、事情を話しながらポテトチップスの袋をみせました

「おぉ、これこれ！」

買うためにどれだけ走り回ったかを、聞いてもらいたかったのですが…

夫は話をろくに聞きもせずに『チキンチキンごぼう』の袋を開けて、２枚ずつ摘まんで口に入れます

「美味しいよね！」

「まだ食べてません！買うのに苦労したんだから、１枚ずつ、じっくり味わってください」

「ほぉい！」

聞き流して、あっという間に食べて、残りの袋の数をを確認していました