ヒッチハイク
60代前半  山口県
2019/05/14 18:03
ヒッチハイク
夫のアパートから戻ってくる時に、普段は寄らない道口PAに犬の散歩で入りました

『広島・福山』と書いた紙を持った、バックパッカーがいました

「そこは毛虫が何匹もいますよ」と、話しかけられました

「ほんとね、ありがとう」

「いえいえ」

感じのいい若者でした

「広島と福山ではものすごく距離があるけど、どこまで行きたいの?」と、聞いてみました

「大分です」

「それは、遠いね」

「はい…」

「犬がいるから1時間おきに休憩するけど、それでも良ければ山口まで乗って行く?」

「ありがとうございます!乗せてください!」

助手席に乗せると、マップを開きながら聞かれました

「山口のどこまで乗せてもらえますか?」

「車が多いのは下松SAだから、そこまでで良いですか?」

しばらく沈黙してマップを見ていました

「わからない?徳山東ICの手前ですけど」

若者が、驚いた声で言いました

「こんなに遠くまで?!広島を通り抜けますね」

「山口に帰りますから」

「ありがとうございます!」

「どこから来られたの?」

関東の地名が聞こえました

「いつ出発したんですか?」

「昨日の午後2時半です」

「夜ドライブで、距離を稼げたんですね」

「はい!思ったより早く着けそうです」

教育実習をするために帰省するという若者は、原爆ドームに行ったことがないと言います

「リニューアルオープンしたから、一度行くと良いかもしれないですね」

普段の帰省方法を聞くと、「飛行機です」と言います

「どうして、ヒッチハイクで帰ろうと思ったんですか?」

「生徒への話題作りです」

「経験談を語るんですね」

「はい!」


「少しでも大分寄りに」と話し合って、下松SAではなく、佐波川SAまで乗せました

裏から入って駐車場に案内したとたんに、大分ナンバーの車が入ってきました

「ありがとうございました!」とお礼を言いながら、「一緒に写真を撮りませんか?」と言います

「そんなことより、さっさと『大分』って書いて、あの車にアピールした方がいいわよ!」

「わかりました!」

「気を付けてね。行ってらっしゃい!」

「ありがとうございました!」


車を出して、駐車場の様子をチラチラ見ながら走りましたが、若者はどこにいるのか見えませんでした

ガソリンスタンドに寄ってから、気になるので佐波川SAに戻りました

誰にも乗せてもらえてなかったら、九州道の岐志PAまで乗せても良いかなと思っていました

若者の姿は見えません

トイレタイムってこともあるので、少し待ちましたがどこにもいません

誰かに乗せてもらえたのね

ホッとしました

空気圧を下げてもらいに、車屋さんに寄ってから帰りました


昨日の夜の娘達との外食の時に、ヒッチハイクの若者の話をしました

「うちなら、実習に間に合わんかったら困るから、帰りにヒッチハイクするわ」と笑います

私も、そう思います
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