さくらんぼ水羊羹
お買い物をしていたら、半額コーナーで白あんを見つけました
(久しぶりに、水羊羹を作ろうかな)
裏の抹茶水羊羹の作り方を見て、閃きました
(さくらんぼジャムを入れても、いいかも!)
頭の中で、白地に朱赤の実が浮かんでいる『さくらんぼ水羊羹』の絵を想像しました
(イケそうな気がする)
買い物かごに入れました
用事を済ませてから、水羊羹作りに取りかかりました
白あんと同量の水に多目の寒天を溶かして、煮立ったので白あんを混ぜます
これで、甘さは約半分
見た目は、まるでお味噌汁です
寒天の量から計算すると、入れられるジャムは100g
さくらんぼの実だけを掬って入れると、浮かんでいる朱赤が少ないように見えます
(色味が、ちょっと足りないかなぁ)
お皿の上の水羊羹の1切れのさくらんぼの、散らばり具合いを想像します
(1切れに数粒見えるくらいが、お上品よね)
20cm角の容器に流し込んで、さくらんぼがバラけるようにつま楊枝で動かしていると、足元で犬がソワソワと歩き回ります
「ジャマよ!蹴っちゃうでしょ?!」
時計を見ると、4時を過ぎていました
「お散歩?」
「ハイッ」と言わんばかりに、お玄関に向かって走って行きました
(粗熱を取るのに、このまま置いといても良いわね)
お散歩から戻ってきたのは、10分後
さすが、寒天です
表面が固まり始めていました
「早っ!」
冷蔵庫に入れて、待つこと1時間
「よしっ、出来上り!」
プラスチックナイフを乗せるだけで、スルンと切れていきます
摘まめるサイズの長方形に切り分けました
さくらんぼの多そうなのを見繕って容器に入れて、娘宅に持って行くと孫が出てきました
「わっ!かわいい!」と、容器から透けて見える水羊羹を見ながら言いました
「さくらんぼ水羊羹を作ったの。私はまだ試食してないけど、あんまり甘くないと思うわよ」
「おぉっ、いいねぇ」
そそくさと冷蔵庫に入れながら、呟いています
戻ると、お向かいの奥さまがお庭にいます
「白あんが安かったから、さくらんぼ水羊羹を作ったの。作りすぎたので、食べ助けしてください」と、紙皿に家族分を乗せて持って行きました
「まぁ、珍しい!ありがとうございます」
声を聞いて、ご主人が出てきました
「美味しそうですね」と、お皿を見ます
「思うほど甘くないと思いますよ」
「あぁ、ありがたいです」
ご主人の言葉に、3人が同じ思いで笑いました
夜、娘から電話がきました
「ありがとう!小まめなねぇ」
「明日は、お父さまの所に持って行くの」
「はぁ?ほんと、小まめなねぇ」
甘い物を一番喜ぶのは、一番遠くに住んでいる夫です