さくらんぼ水羊羹
60代前半  山口県
2019/05/23 12:22
さくらんぼ水羊羹
お買い物をしていたら、半額コーナーで白あんを見つけました
 
(久しぶりに、水羊羹を作ろうかな)

裏の抹茶水羊羹の作り方を見て、閃きました

(さくらんぼジャムを入れても、いいかも!)

頭の中で、白地に朱赤の実が浮かんでいる『さくらんぼ水羊羹』の絵を想像しました

(イケそうな気がする)

買い物かごに入れました


用事を済ませてから、水羊羹作りに取りかかりました

白あんと同量の水に多目の寒天を溶かして、煮立ったので白あんを混ぜます

これで、甘さは約半分

見た目は、まるでお味噌汁です

寒天の量から計算すると、入れられるジャムは100g

さくらんぼの実だけを掬って入れると、浮かんでいる朱赤が少ないように見えます

(色味が、ちょっと足りないかなぁ)

お皿の上の水羊羹の1切れのさくらんぼの、散らばり具合いを想像します

(1切れに数粒見えるくらいが、お上品よね)

20cm角の容器に流し込んで、さくらんぼがバラけるようにつま楊枝で動かしていると、足元で犬がソワソワと歩き回ります

「ジャマよ!蹴っちゃうでしょ?!」

時計を見ると、4時を過ぎていました

「お散歩?」

「ハイッ」と言わんばかりに、お玄関に向かって走って行きました

(粗熱を取るのに、このまま置いといても良いわね)

お散歩から戻ってきたのは、10分後

さすが、寒天です

表面が固まり始めていました

「早っ!」

冷蔵庫に入れて、待つこと1時間

「よしっ、出来上り!」

プラスチックナイフを乗せるだけで、スルンと切れていきます

摘まめるサイズの長方形に切り分けました


さくらんぼの多そうなのを見繕って容器に入れて、娘宅に持って行くと孫が出てきました

「わっ!かわいい!」と、容器から透けて見える水羊羹を見ながら言いました

「さくらんぼ水羊羹を作ったの。私はまだ試食してないけど、あんまり甘くないと思うわよ」

「おぉっ、いいねぇ」
そそくさと冷蔵庫に入れながら、呟いています


戻ると、お向かいの奥さまがお庭にいます

「白あんが安かったから、さくらんぼ水羊羹を作ったの。作りすぎたので、食べ助けしてください」と、紙皿に家族分を乗せて持って行きました

「まぁ、珍しい!ありがとうございます」

声を聞いて、ご主人が出てきました

「美味しそうですね」と、お皿を見ます

「思うほど甘くないと思いますよ」

「あぁ、ありがたいです」

ご主人の言葉に、3人が同じ思いで笑いました


夜、娘から電話がきました

「ありがとう!小まめなねぇ」

「明日は、お父さまの所に持って行くの」

「はぁ?ほんと、小まめなねぇ」


甘い物を一番喜ぶのは、一番遠くに住んでいる夫です
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