どうなの?
日曜の朝
山形から届いたラ・フランスが食べ頃になったので、娘の所に持って行きました
「今ね、お菓子を作りよるから、後で持って行くね」
「何を作ってるの?」
「言われん」
「失敗したら困るから?」
「そう」
出来上がったら、孫に持ってこさせると言います
何が届くんだか…
楽しみに待つことにしました
そのまま続きに、近くのスーパーにお買い物に行きました
内臓もゼイゴも処理してある豆アジが、20匹ほど入ったトレーが半額で120円です
(南蛮漬けにしたら、絶対おいしいよね…)
でも、一人で食べるには多すぎるので、かなり葛藤があります
(娘がお菓子をくれるって言ってたし…)
お返しの南蛮漬けを作ることにしました
お昼ご飯を簡単に済ませてから、南蛮漬けに取りかかりました
私は辛いのが苦手なので、唐辛子は入れません
娘の所の容器に大きめ9匹を入れたら、小さめが12匹残りました
作り終えて孫を待ちましたが、待てど暮らせど来る気配がありません
付けっぱなしのテレビの『笑点』が終わりました
(まったく、もう!早く来てくれないと、晩ご飯のおかずにならないじゃない!)
自転車で、持って行きました
「ありがとー!南蛮漬けが届いた~!」
お婿さんに見せています
「コフッとなるくらい酸味が立ってるけど、唐辛子は抜きよ」
「あ、好きなヤツ」
「ねぇねぇ、お菓子は?」
「最初に作ってたのは、失敗したんよ~」
「何を作ろうとしたの?」
「言えれん」
「で?」
「これ、作った」
試食をもらうと、あっさりチョコレート味の焼き菓子です
「これ、なに?」
「名前ねぇ、さっきまで覚えてたんだけどねぇ、忘れた」
「あ、そ!ありがと」
お菓子の入った容器を受け取って、ドアを閉めました
その途端、中から娘の大声が聞こえました
「思い出したぁ!ガトーショコラ!」
戻ってドアを開けて、お礼を言いました
「ありがと!」
自転車を漕ぎながら、口の中の余韻を探ります
(あれ?ガトーショコラって、もっとチョコレートが重くなかったっけ?)
でも、休日にパパッとお菓子が作れる娘に育ってくれたことが嬉しくて、にやけてしまいました