「業者さんに『今回が６回目の転勤になる』って言ったら、驚いていたよ」
　
晩ご飯を食べながら、夫が言います

（転勤の回数が多いことは、自慢なのか？）

「６回目だったっけ…」

「そうだよ！」

「そっか…。６回目のお引越しなんだね」


転勤する時は、転居も伴います

夫は次の職場が気になるので、引越し手続きの煩雑さに興味はありません

荷造りと片付けの労力にも、理解はありません

アパートにある物を全部、箱詰めして荷ほどきするのは私です

歓送迎会で飲み会続きの生活をする夫を横目に、私はストレスでタバコの本数が増えます

カレンダーの裏紙をメモ用紙に使って、やることリストを用件ごとに細かく書き、済ませたらその紙を捨てる日々です

お引越しは何度やっても慣れなくて、書いたメモを繰り返しチェックして、抜けがないか確認します

メモ用紙の厚みが、やっと半分になりました


お引越しの日に、夫は会社を休んだことがありません

いつも通常通りに出勤して、事務所の人達にお茶菓子を渡して、帰宅するのは転勤先のアパートです

「引越し作業は嫁で、俺は会社で仕事をしてるから、引越しは手伝ったことがないよ」って教える方が、「仕事熱心だなぁ」って驚かれると思いますよ

言いたい言葉を、おかずと一緒にゴックンと飲み込みました