気にされたい
引越しで使った発泡スチロールの箱を、洗って片付けた土曜の夜の、おっちょこちょいの話です
テーブルの上に、発泡スチロールの箱を4つ積み上げました
食卓テーブルにセットされていたイスは、デスクチェアと同じシステムです
足には下にコロが付いていて、軽く押すだけで行きたい方向に動いて、座面も360度回ります
体を捻れば立ち上がれるし、イスを動かす音がしないので気に入って買いました
冷蔵庫の近くの餌置き場に犬がいました
「危ないから、避けて~」
お水を飲み終わるのを待って、犬を追い払いました
冷蔵庫の前に、イスをコロコロ~と移動させます
イスに乗って、体を捻って発泡スチロールの箱を2段に積んで、持ち上げながら体を元に戻した瞬間
クルンッ!
イスが元に戻るように回りました
ガッタ~ンッ!
落ちました
ひっくり返ったイスの上に、腹這いになるように乗っていました
いつも間にか戻っていた犬が、冷蔵庫に体を押し付けて震えています
「当たった?」
そのままの体勢で、犬にぶつかっていないことを確かめました
お尻を押すと、サササッと逃げていきました
「良かった~、ケガしてないらしい」
なんとか、立ち上がれました
うぅ~
痛みをこらえて、傍らの発泡スチロールを確認しました
「良かったぁ、割れてない」
やり直しです
イスに乗って、用心深く向きを変えてテーブルの発泡スチロールの箱を2つ取って、そろっと向き直って冷蔵庫に乗せました
2回繰り返してイスから降りたら、強烈な痛みを感じました
「いたい~」
半泣きでスカートを上げて、痛む所を見ました
右膝の内側、右の弁慶の泣き所、左の膝蓋骨の下
「ビビが入ったかなぁ」
夫と娘夫婦と4人で、焼き肉屋に行く約束がありました
お店での立ち座りが不自由です
膝を押さえる私を、お婿さんが心配顔で見ます
「ドターンッて、聞こえなかった?」
夫に聞きました
「いいや、気付かんかった」
「うそ~ん」
食べなから、状況を説明しました
「大丈夫ですか?」
心配してくれるお婿さんの向かいで、夫はもりもり食べています
気遣わない夫に腹が立って、週が明けても病院には行きませんでした
3週間が経って、打ち身の箇所の緑色が消えました
向こう脛は小さくポコンと盛り上がっていますが、触っても痛くなくなりました
無頓着な夫との老後が、とても不安です