コインランドリー騒動記
アパートの私の敷き布団に、犬が胃液を吐きました
「畳の上じゃなくて良かった~」
黄色い液体は、敷き布団パッドと布団カバーを通過して、敷き布団に染み込んでいます
洗濯機では洗えないので、近所のコインランドリーに行きました
「ここ、いいねぇ」
大きなドラムに感動した夫が、そこに敷き布団を押し込もうとします
「それは乾燥機!洗うのは右の列!」
取り出して、少し小さめなドラムに入れさせます
「ちょっと待っててね」と、お財布を持って夫の側を離れます
「はい、はぁい!」と、お気楽な返事が返ってきました
入り口の機械を操作して、プリカに現金をチャージしました
「何番だっけ?」
振り向くと、敷き布団を突っ込んだドラムが回転していて、それを夫が仁王立ちで眺めています
「えっ?」
我が目を疑うとは、こういう時のことでしょうね
画面はまだスタートしていないのに、なぜ回っているのか理解できません
「どうして回ってるの?!」
慌てる私を見て、夫が焦り始めました
「ここを押したら回ったんだよ」
見に行くと、ドラム洗浄スイッチでした
ドラムが開く握りを、夫が力任せに回そうとします
動作中の扉が開くはずがありません
「回さないで!壊すよ!それ2番よね?!」
「うん…」
小走りで精算機に戻って、画面の2番を選らんでスタートを押しました
振り向くと、ドラムの中に泡が立ち始めています
「泡が出てきた!なんで?!」
焦った夫が、扉の前でテンパります
「あっちの機械で、洗濯スタートしたから」
「あの機械?」
「そう!ここは、洗濯物を入れる前にドラムを清潔にするスイッチですから、汚れ物を入れてから触っちゃダメ!」
「ちょっと押したら回りだしたんだよ…」
「待っててねって言ったら、何も触らないで待っててください!」
「ボタンを見たら、押したくなるでしょ?」
「なりません!」
怒りが収まらないので、声が大きくなります
「このやり取り、全部、監視カメラで録画されてるんだからね!恥ずかしい!」
怒りながら、コインランドリーを出ます
「待ってる間に、たこ焼き食べない?」
機嫌を取りたいのよね、きっと
直接的なお断りはしません
「お買い物します」
「はぁい」
何をするにも私の指示待ち夫ですが、時々、こんなキラーパスを投げてきます