マスターとは40年くらい前からの知り合い
　
酔ったマスターを前にして
見知らぬ男性と
椅子１つ空けて座って
カウンターでお喋りする

競馬の馬の話
九州の方言の話


２人で盛り上がってる時に
ドアが開く
マスターと声を揃えて
「どーぞ！」と招き入れる

男性との間の空いた椅子に
どっかり座られちゃった
あら、他にも空いてますけど…
そこですか？

常連らしきその男性は
やたらと唾を飛ばしながら
私に向かって喋り続ける

自分の病気の話

マスターは椅子で寝ちゃったし
楽しくなくて…

マスターを起こして
おもしろネタを振りながら
４人で飲む


突然、隣の男性が言う
「おっぱい、でかいよねー」

続けて言われる
「さわらせて～」

はぁ？
なに？？
病気ネタ出して、それ言う？
最初に話してた男性が苦笑してる
楽しい気分が瞬時に消滅する


マスターが、口を挟む
「肩を触らせてもらいー」

男性…肩じゃ膨らみがないけー、つまらん
（そう言いながら肩や腕を触ってくる！）

マスター…柔らかいなぁって、さわりゃあえーじゃろー

男性…わしゃ、この姉さんのおっぱいがさわりたいんじゃ

そのあと、ひたすら「おっぱい、さわりたい」を連呼
マスターは「肩をさわさせてもらいー」と言い続ける

腕を捕まれたままの私は、にっこり笑顔でお断り
彼氏じゃないんだから、むりむり
あー～、彼氏にするのも、むりむりむり

「さわれんけー帰る」と、席を立って出ていく

やった！
平穏が訪れる

不快な嵐が去って
「点数が出るのは苦手だわぁ」
と言いながら、ひたすら歌う


酔えるって、いいね

酔ったフリをしてても
ホントに酔っていても
飲んだ自分じゃなくて
お酒のせいにできるからいいね


どんなに飲んでも酔えない私は
一度でいいから言ってみたい
「酔ったみた～い」