用事を済ませて、ティーブレイク
　
ぼんやりしている時に、「次の曲は…」と言って、大好きだけど今はまだ独りでは聴きたくない曲のタイトルを、ラジオのパーソナリティーが伝えます

「あ…」
思わず声が出てしまいました
好きだから聴きたいけど、ツラくて聴きたくない曲


歌が流れている間、彼との思い出が甦って心が痛くなります

彼は、辛くてもずっと頑張ってきたので、新しい環境では和やかに過ごせるようにと思ってきました

付き合っている間に、何度か連絡が止まることがあって、そのたびに気持ちが揺らぎました

数か月前に連絡がこなくなってからは、もう彼は私を気に止めていないのだから、私が気にかけることはやめようと思って過ごしていました


歌で動揺するなんて…
まだ気にしていることを、自覚する瞬間です

たかが歌、されど歌


数年前、彼と初めて会った時に（彼が車が運転できる状態ではなかったので）私の車に乗ってきました

駐車場に停めた車で、話のきっかけに「好きな歌は？」という話をして、私の好きな曲を聞いてもらいました

彼の好きなジャンルとは違うのに「いい歌ですね」と言ってもらえて、気が合いそうで嬉しくなりました

いろいろなアーティストを聴きながら、またその曲に戻って…
何度も聴きました

YouTubeで何度も聞いたと言って、数日後には「歌詞を見なくても、歌えるようになりました」と言っていました

楽しかった思い出が、たくさん
楽しくなかった思い出も、たくさん

今は「別の人と遊んで、思い出ファイルの上書きをしたら、もう気にならないのではないかしら」と、考えています


この時期の曲なので、これからもラジオが聴かせてくるでしょう

夏祭りと彼の思い出が、重なります


back number『わたがし』