ボケ防止
60代前半  山口県
2016/09/20 12:58
ボケ防止
「おばちゃん、ズボンが破れたんやけど、手で縫いにくいけぇ、ミシンで縫ってもらえる?」
 
自分の身の回りのことは、自分でしている男の子が言います
彼の母親は、彼が中学生の時に亡くなっています

「いいわよ。持っていらっしゃい」


翌日の午後、遠慮しながら1本持ってきました

「どう履いたら、ここまで破れるの?」

ファスナーの脇から股下を通り過ぎて、腰までパックリと破れた作業ズボンは、右足と左足が辛うじてウエストで繋がっていました

彼が自分で縫った糸が、数か所残っています

「直せるん?」
「直せるわよ」
「そしたら、明日また、もう2枚持ってくる!」
「それまでに、仕上げておくわね」


翌日の朝、花火の余韻に浸りながら、カタカタとミシンをかけました

ミシン目が元通りに見えるように、気を付けて針穴を重ねて縫いました


取りに来た男の子が、ズボンをもう2本渡してきました
「え?全く同じに破れてる…」

「あのさぁ、こうやって跨ぐやん、その時に…」

「もういい、もういい」
話を途中で遮って、修繕したズボンを渡しました


受け取ったズボンの、縫い直した所を広げて見て、目を見張ります

「すげぇ綺麗に縫っちゃる!おばちゃんのミシン、すげぇね!」

「はぁん?!技術あってこその、機械でしょ!」

「あ、あ、あ~!それを言おうと思ったんよ!」
大慌てで言い訳をします

「すごいミシンを貸すから、この2本は自分で縫いなさい」

「えぇ?!いやいやいや、ほんと勘弁してぇや~」


その横で、やり取りを聞いていた孫が、シレッと言いました

「ばばちゃま、ミシン出してるの?私のTシャツの袖が長いんだけど、上げてくれる?」

「出てるわよ。いつでもいいから、持っていらっしゃいね」

「ありがと!後で持ってくる~」


みんなから頼りにされている間は、呆けないかな
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コメント

60代前半  山口県

2016/09/21 12:26

2.  >>1 ビスケット@PRボイス始めましたさん
こんにちは

ありがとうございます
嬉しいです

全く同じに仕上げるって、案外と難しいのよ(^^)v

40代半ば  大阪府

2016/09/21 12:11

1. なんかいい!

確かに技術あってのミシンだよね。

俺の母親も洋裁学校に行ってたらしくミシンの腕は凄いよ。
だから分かるし尊敬する!

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