「お久しぶりです。ずっと払っていなかったお金を返したいんですけど、ご都合を教えてください」

宇部に住む女性から、昨年秋に７～８年ぶりに電話が掛かってきました


彼女のお金が足りない時に立て替えた、商品代金の残りが２千円ありました

数回は催促しましたが、「お金がない」と言うだけなので、催促するのをやめました


どうして、今ごろ？
突然のことに、頭の中がグルグルしました

「お金は、送って戴いたので構いませんけど…」
やんわりと、お会いすることをお断りしてみました

「返したいんですけど、前のようにここまで来れませんか？」
頑固加減は、昔のままでした


私が彼女の所まで出向いて受け取るのは、何か筋違いな気がしましたけど、返してもらってご縁を切るのもアリかと思い直しました

こちらから掛け直す旨を、伝えて切りました



そのまま忘れて、日が過ぎました

年末に思い出しましたが、新年のご挨拶を兼ねて、松の内の間に連絡して、会う日時を決めました



そして、今日は宇部までドライブ

くだぐだと世間話をされて、なかなかお金が出てきません

（目的は、別にあるのかしら？）
１時間が過ぎて、我慢の限界

「お幾ら、お貸ししていました？」
聞いてみました

「２千円です」
あら、覚えてた…


やっと、お財布を取り出してお金を出しました
「ハダカですみません」

封筒に入れて渡すことは、ご存知だったようです
「構いませんよ」

ガソリン代とコーヒー代を引いたら、半分くらいにしかなりません


お金を受け取ってからも、彼女の家族の事や知り合いの状況を、ぐだぐだと話続けられました

「ごめんなさい。帰り道で、次の予定があるんです」
やんわりお断りして、コートを着ました

お友達なら「じゃあ、また会おうね」
別れを惜しむところです

でも、彼女には「ごきげんよう。さようなら」

２千円でご縁を繋ぎ直したい人と、ご縁を切って帰りました