休日にデートする居候君が、困っていました
　
免許を取って初めてのデートなので、車を使ってどう動けばいいかわからないのです


「相談があるんだけど…」
とうとう、車を持っている同級生達に、相談するのことにしたようです


映画に行くことも、晩ご飯に行きたいお店も決まっています

その間をどう繋げばいいのか、わからないのです

それと、もう１つ
好きな気持ちの伝え方

失敗して、フラれたくないようです


「夜景を見に行ったら？」
女の子が言います

「飲み物も買っておくと、嬉しいと思う」
別の女の子が言います

「映画の席を、予約しておけば？」
男子が言います

その都度、真剣に頷いていました


晩ご飯を食べ終わってアイスクリームを食べている時に、今度は私に聞いてきました

夜景を見るのは、私はお勧めしないと言いました

展望台からの景色は、イルミネーションのようにきれいです

彼女と見たい気持ちは、わかります

でも…
真っ暗な駐車場
真っ暗な展望台までの道

女の子は、怖いでしょうね


場所の様子がわからない居候君と、現地確認ドライブに出ました

駐車場に着くと、居候君が笑だしました
「オレでも怖いわ」

展望台まで、携帯のライトを使って歩きました
「男のオレでも、怖いんすけど…」

「ん？何かいる？」

「ウソでしょ？！どこ？！」

「ごめんね、見間違えたわ」

「ビビるから、マジでやめてくださいよ～」


きれいな夜景は、もっと仲良くなってからにしなさいと言いました


どこに行こうかなぁ？
ぐるぐるドライブしながら、閃きました

私のひみつの場所

車を停めると、水に映る工場の照明が揺らいで輝いています

「どう？」

「すっげぇ！きれいっす！ここにします！」

表情が明るくなりました
デートが上手くいく気が、してきたようです

気持ちを伝える時の、アドバイスもしました


「これでダメだったら、おばちゃん家に帰れん…」
小さく呟いていました

プレッシャーを、掛け過ぎたかな